■ 目 次 | H11年5月の第42回日本糖尿病学会年次学術集会において、糖尿病診断基準検討委員会から“糖尿病の分類と診断基準”に関する報告が発表されました。 2008年、日本糖尿病学会から報告された、空腹時血糖値の正常域に関する新区分も掲載しました。 |
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糖尿病はインスリン作用の不足による慢性高血糖を主徴とし、種々の特有の代謝異常を伴う疾患群で、その原因は多様である。代謝異常が長く続けば糖尿病特有の合併症を来たし、動脈硬化も促進される。糖尿病の概念は高血糖のみならず、これらの特徴をすべて包括する。 | |
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■ 成因分類
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■ 病態分類
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血糖値の程度、すなわちインスリン作用不足の程度に基づく病期(ステージ)の分類
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成因を縦軸に、病期を横軸として表示すると下の表のようになります 右向き矢印の方向に病期が進行していきます。黒矢印部分が糖尿病状態。 左向き青矢印は糖代謝の改善を示しますが、一度発症した糖尿病が消えてなくなるわけではありません。 破線部分はまれな状態を意味します。 |
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■ 75gブドウ糖負荷試験の判定区分
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■ 診 断
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持続的に糖尿病型に属するもの 2回以上の検査で高血糖が確認されたもの 1回の検査でも次の場合には糖尿病と診断する随時血糖≧200mg/dLも糖尿病型を示すものとして取り扱う 1. 典型的な症状がある 正常型でも1時間値≧180mg/dLの場合は、糖尿病に悪化する危険が高いので境界型に準じた取扱が必要2. HbA1c≧6.5% 3. 糖尿病網膜症がある 4. 血糖値が基準値を著しく超えている |
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スクリーニングとして、随時血糖≧100mg/dLならブドウ糖負荷試験を行う | |||||||
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■ 空腹時血糖値の正常域
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従来、我が国の空腹時血糖値の正常域の基準値110mg/dLは、これ未満なら長期追跡しても顕性糖尿病の発症をほとんど認めないという成績に基づいて定められていました。 しかし近年のデータによれば、空腹時血糖値110mg/dL未満であっても、100m/dL以上の場合は、100mg/dL未満のものに比べて糖尿病への移行率が有意に高いことがわかってきました。経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)を行えば空腹時血糖値100〜109mg/dLのもののうち25〜40%が境界型や糖尿病型に属するので、基準値を110mg/dLから100mg/dLに引き下げることによって、これらを見逃す可能性を低下させることが出来ます。 一方、もし改訂した場合は、糖尿病に悪化する危険がそれほど高くないものの空腹時血糖値が境界域と判定される人が増加します。実際、OGTTを行えば、従来の基準では60〜75%が正常型に属するにもかかわらず、これらのものも含めて境界型とすることになってしまいます。 従って現時点では、空腹時血糖値が100〜109mg/dLの者を一律に境界域あるいは空腹時血糖値99mg/dL以下と同一の正常域として取り扱うべきではなく、正常域の中で正常高値とするのが適切であるとされました。 |
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