日本初立体交差駅 − 折尾駅
2012年10月4日 解体工事直前
1978年4月、産業医大に入学して北九州にやって来たが、その最寄り駅が、折尾駅だった。当時、駅前には小さな飲み屋・ラーメン屋などがひしめき合い、堀川の流れは淀み、独特の匂い(悪臭?異臭?)が漂っていた。東京から赴任してきた先生は、とんでもないところに流されてきたと涙を流して嘆いた、そんな噂もあった。その後、駅前再開発の話が出ては火事が発生したりもしたが、駅前は少しずつ広く明るくなっていった。
折尾駅は1891年(明治24年)に九州鉄道と筑豊興業鉄道が別々の地で開業、その後1895年(明治28年)、現在地に共同の駅を開業し、1階部分に筑豊協業鉄道、2階部分に九州鉄道という日本初の立体交差の駅となった。現在の木造2階建て東口駅舎は大正生まれ、門司港駅より2年遅れの1916年(大正5年)に完成したとされている。
歴史ある駅舎、学生時代に利用した懐かしい駅舎。しかし残念なことに、折尾駅周辺再開発に伴う鹿児島線と筑豊線の高架化事業で取り壊され、姿を消すことになった。解体工事のため東口が閉鎖される二日前、慌てて折尾駅の写真を撮りに行った。

2番線ホームから見た折尾駅舎
撮影機材
Canon EOS 5D2
EF24-105mm F4L IS USM
Canon Powershot D30(H26.7/21追加分)


折尾駅舎と駅の周辺
折尾駅東口側は、再開発で広々とした駅前広場になり、堀川もきれいになったが、相変わらず駅南側の堀川沿いには小さな飲食店が軒を連ねている。
東口駅舎は中央と鹿児島線側が2階建て、筑豊線・直方側が1階建ての非対称になっている。

駅舎の左側は1階建て

駅舎の右側は2階建て

以前、堀川暗渠の入口にはゴミを止める鉄柵が設けられていた

堀川沿いの飲み屋

北口付近の店

3番線ホームの東筑軒うどん店も、今回の工事で閉店となった

折尾駅の駅弁と言えば、東筑軒のかしわめし

2013年2月に復活した、駅弁の立ち売り(H26.7/21)
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鹿児島本線
2階部分には鹿児島本線の3〜5番線ホームがある。
ホームがかさ上げされたからだろうか、3番線ホームの屋根は随分低く感じられた。
4・5番線の東口階段は、上りきった所は線路の真横、そこからスロープでホームに上がる。ここから黒崎方面を眺めると、鹿児島線の下り列車はかなりの迫力で迫ってくる。

3番線ホーム。5番線にはソニック25号が停車中

東口階段を上りきると、真横に線路。その先、4・5番ホームへのスロープ

階段の先の緩いスロープ。門司港行き(158M)で黒崎に戻った

鹿児島線下り久留米行き(2341M)の先頭から

東口階段を上りきった所で、ソニック32号を撮る
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筑豊本線
1階部分にある、筑豊本線のホームは、1番線が非電化の若松線、2番線が電化の福北ゆたか線乗り場となっている。
2番線ホームの端に描かれている壁画は、かつての折尾駅前のようだ。

1番線の若松行き(6450D)

2番線の架線はここまで

2番線ホームの壁画

日吉町踏切側から見た1・2番線(福北ゆたか線・直方行き6529H)
上は5番線(快速・小倉行き4244M)、元はその直下に踏切があった

日吉町踏切から若松方面を見る。若松線・折尾行き(6453D)
左後方、一段高い所は、若松から遠賀川への短絡線跡
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待合室
駅のコンコースには、天井の梁を支える二本の化粧柱がある。
長い年月を掛けて黒光りする柱。一方の柱には木製円形のベンチが設けられている。
階段と地下通路
鹿児島本線ホーム下には二つの地下通路がある。
西口・2番線ホームと4・5番線ホームを結ぶ西口側通路は明治44年、東口・1番線ホームと4・5番線ホームを結ぶ東口側通路は大正7年にできたらしい。そのせいか、通路も階段も随分狭く感じた。
西口側の煉瓦積みの通路には、両側に壁画が描かれていた。この通路から3番線に上がる階段は、後にホームがかさ上げされたためか、出口の高さがかなり低くなっている。

西口側地下通路

西口側通路の壁画

西口側通路の壁画(折尾神楽)

3番線・西口側階段を見下ろす

3番線・西口側階段を見上げる

途中から幅の狭くなっている4・5番線・西口階段(H26.7/21)

4・5番線・西口階段と駅弁の立ち売り(H26.7/21)

西口側階段出口、3番線ホームの屋根よりさらに低い

東口・1番線から3番線・2番線・西口への階段、左は階段下を4・5番線へ

東口側通路

3番線から東口側階段を見下ろす

4・5番線ホームへの東口階段、昇降機が設置されている

東口階段を上りきって4・5番線に出る所は、線路と同じ高さ
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鷹見口、西鉄北九州線・折尾電停跡
折尾駅には2階建て駅舎から離れたところにもう一つホームがある。黒崎と東水巻との短絡線にある6・7番線。その南にはかつて、西鉄北九州線の折尾電停があった。
一時は日本一の長大路線を誇った西鉄北九州線だったが、1980年の北方線廃止以降徐々に路線が短くなっていった。1992年以降は黒崎駅前〜折尾だけとなり、2000年11月に廃止された。
高架となっていた折尾電停は、赤煉瓦のアーチ橋だった。その手前、東側の三連アーチが残されている。道路と斜めに交わるため、アーチを斜めにした「ねじりまんぽ」という特殊工法で作られた。

折尾駅鷹見口 6・7番線

西鉄・折尾電停東側の三連アーチ

ねじりまんぽ
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