Uc DM Lecture-6
糖尿病の運動療法 |
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いつでも、どこででも、時間を見つけて歩きましょう。 糖尿病治療のためだけでなく、他の生活習慣病予防のためにも一日10,000歩を目標にしましょう |
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目 次 | 1.運動療法の目的 2.運動療法の基本 3.運動強度の目安 4.実施上の注意・禁忌 5.運動と日常生活動作の消費エネルギー |
末梢でのインスリン作用の感受性を高める インスリンの効きがよくなりブドウ糖の利用が良くなって血糖値が下がる 筋肉を増やし、脂肪を減らす 霜降り肉から赤身肉に! 心肺機能を改善する(血液の循環を良くする)高脂血症や高血圧を改善する 善玉であるHDL-コレステロールを増やす 体力の向上になる 肩こり、腰痛予防、転倒、けがの防止など ストレスを解消する、爽快感、充実感、気分転換など |
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■ 効果的な運動の5つの基本とは | |
■ 運動の種類 いつでも、どこでも、ひとりででき、かつ安全な運動を選ぶこと。
運動によりインスリンの効き目が良くなるのは、筋肉が使われるからです。 したがって、できるだけ大きな筋肉、たくさんの筋肉を使う運動が適しています。 また、筋肉をリズミカルに収縮させることで、筋肉のポンプ作用が心臓への負担を軽くしてくれます。 糖尿病の運動療法としては、ウォーキング、ジョギング、サイクリングなどの運動を中心に行うとよいでしょう。 |
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■ 運動の強度 運動の強さに比例して心拍数は増えるので、心拍数(脈拍数)から、どの程度の運動をしているかがわかります。
このため、運動の強さを知るには、運動中の脈拍数を手がかりにするのが良いでしょう。 酸素を十分に取り入れながら、脂肪を燃料として有効に燃やすことができる強さは、自分が最大に行える強さを100%とすると40〜70%です。 →運動強度の目安 歩く速さにすると「1分間に80m」です。距離に換算すると1qを約13分くらいで歩くスピードになります。 脈拍を測ることが面倒な人は、「きつさ」を目安にしましょう。「少し息が弾む」くらいの強さが適当です。 |
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■ 運動の継続時間 運動を始めたとき、最初に利用されるのは筋肉の中に蓄えられている燃料です。
血流を通して筋肉に燃料や酸素を取り入れるしくみがうまく働くようになるのは5〜10分くらいしてからです。 貯蔵燃料の脂肪が分解され燃料として利用されるようになるには、少なくとも15分以上の時間がかかります。 血糖の調節には、少なくとも15分は続けることが必要です。 肥満気味で余分な脂肪を減らしたい人は、30〜40分ぐらいの運動を続けた方がよいでしょう。 エネルギー消費としては、1日240kcal(3単位)消費する運動量を行いましょう。 ・1単位の運動=早歩きの散歩 20分 ・一日10,000歩を目標にする |
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■ 運動の頻度 運動には、持続効果があるため、糖代謝に及ぼす効果は運動後1〜2日は維持されます。
週1回の運動では、気晴らしやリフレッシュ程度の意味しかありません。 習慣化する意味では、毎日行うことをおすすめします。しかし、無理せず疲労がたまらないようにしましょう。 |
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■ 運動の実施時間帯 運動するには、食後1-1時間半くらいの時間帯が一番理想的です。
この時間になると、食べた物が消化吸収され、血糖値が高くなり始めます。 この時間帯に運動すると、運動で使われた分だけ、食後の血糖上昇を抑えることができます。 食直後に運動すると消化吸収を妨げます インスリン、血糖降下剤内服の人は、運動によって低血糖を誘発しないように気をつけましょう:空腹時の運動は避ける |
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運動強度は、脈拍数を参考にします。 下の表を参考に、最初は最大強度の40%位から始め、徐々に70%くらいまで強度を上げていきます。 |
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■ まとまった時間がとれない人
日常生活活動の中に運動の5つの基本を取り入れましょう。
まとまった時間が取れなくても、短時間の運動の積み重ねでちゃんと効果が得られるという報告があります。 生活の中にはいくらでも自分のやる気しだいで身体を動かすチャンスがあります。 自分の生活をふりかえって自分なりに工夫してみましょう。 通勤時間を利用して運動する
買い物の時間を利用する→少し遠回りする エレベーターを使わず階段を利用する 万歩計を利用して1万歩になるように歩く 通勤が車の人は、駐車場は、遠くの方に止める バスの停留所を手前で降りて歩く |
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■ 運動を禁止・中止すべき状態、その他の注意 | |
■ 運動の禁止
血糖コントロールの極端に悪いときは運動は禁止
重症の合併症のある時は激しい運動は禁止 血圧が180mmHg以上の時など
■ 運動中、下記のような症状を感じたら中止する
風邪をひいたり熱があるなどで体調が悪いときは運動を休みましょう 胸がしめつけられるように苦しくなった時
■ その他の注意点
急に脈が速くなったり、とぎれたりする時 めまいがして、倒れそうになった時 冷や汗が出てきた時 いつもと違う強い疲れがある時 強い空腹感やふるえがある時 関節や筋肉に強い痛みがある時 薬(経口血糖降下剤・インスリン)の投与を受けている時は食事の前には運動しない
また、砂糖を忘れずに持って行く
運動のやりすぎは逆効果
運動すればしただけ血糖が下がるというのは間違い
運動療法の前に必ず医師の診察を受け、運動の可否・方法・量についての指示を受けてください
運動を行う環境に注意 交通事故に気を付けましょう
特に夜間のウォーキングは、暗い服をさけ、白っぽい服を着ましょう 運動に適した服装・靴で行いましょう
気候にあった通気性のよい服装を選びましょう
寒いときは、保温に注意し、防寒対策をとりましょう 自分にあった靴を選ぶことが基本 実際に履いて確かめましょう 水分は十分に補給しましょう
水分を十分にとらず脱水状態になると血液の粘り気も強くなり、血のめぐりが悪くなります。また、血液の固まりもできやすく、血管が詰まりやすくなります。
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日常生活動作でどの程度のエネルギーを消費するかを表に示します。 例えば、体重70kgの人が80m/分の早さで1時間歩くと、 0.0747×70×60=310.8kcal 消費できることになります。 |
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Lecture7 糖尿病の薬物療法 | |
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