雪の萩往還練習会 2005年3月
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■ 萩往還練習会
H17年3月12日 INDEX
H17年3月13日 INDEX

雪の板堂峠(H17.3/13)
迂回路付近の地図は、国土地理院の2万5千分の1地図閲覧サービス(ウォッちず)を使って作成しています。
 昨年10月、三瀬ざっといかんばい林道マラソン大会終了後の打ち上げの席だった。ゆきひろ父さん、横ちゃん等と飲んでいた時に、真冬の玄海100kmか3月に萩往還練習会をしようという話が出た。酔った勢い、冗談半分だったが、この二人がやると言ったら実現してしまう。
そして、3月12日の夕方仙崎をスタートして、宗頭から三見・玉江・笠山・往還道を通って瑠璃光寺まで90km、所要時間15-6時間の練習会を開催することになった。
 今年は2月の大村湾一周にエイドスタッフとして参加したが、その準備などもあってあまり走れなかった。ちょうど良い練習になる。しかもコースは後半眠くなって記憶があやふやになっているところ。コースを頭にたたき込むにもちょうどいい。
 そしてもう一点。250kmのコースが一部変更になるかもしれないと言う話も伝わってきた。大会事務局にその迂回路のことを聞いてみると、是非試走してみてくださいと返事があった。せっかくなので、昨年萩市内でコースアウトして見つけた24時間スーパーも偵察してみようと言うことになった。ということでネットで呼びかけるなどしたら、10人も集まり、賑やかな練習会になった。
 ところが一つだけ不安があった。天気の周期が悪いのである。2月に入って寒い日が続いたが、特に週末になると寒波がやってきた。毎週のように「この週末はこの冬一番の寒気が、、、」という予報で、練習会の日も例外ではなかった。週間天気予報では旭村の降雪確率は30%、直前には60%となり、最低気温-4℃、最高気温3℃。そして練習会当日、、、この写真の通りである。
萩往還マラニックの全コースガイドは、オフィシャルサイトまたはクニさんのサイトを参照下さい
2005萩往還マラニック・レポート

■ 3月12日 仙崎へ INDEX
 寒くなるとの予報で、長袖・ロングタイツの上からウィンドブレーカーを着ることにして、予備にベスト、靴下を二重に履いても大丈夫なように、ややゆったりした靴を履いた。大阪から来た友人と昼飯を食べながらビールを飲んだ。黒崎駅13:45の電車に乗る。小倉・下関で乗り替え、山陰線回りで仙崎へと向かった。途中、小串・長門市でも乗り替え。雨や雪は降っていなかったが、どんよりとした曇り空で、海もかなり荒れていた。
 九州組は、熊本から横ちゃん、福岡からゆきひろ父さん、北九州ウルトラRCが澤田・西田・前村さんに自分で、合計6人だった。大変な天気で過酷な練習会になりそうだったが、それが楽しみなのか、なぜかみんなうきうきしていた。阿川を過ぎると車窓に見覚えのある景色が広がった。油谷湾の向こうに俵島や油谷島が見える。
 長門市で美祢線から来た仙崎行きに乗車。広島のとみかずさん、山口の赤野さん、原田さん、山本さんと合流した。10人のうち女性は二人、年齢は29歳から63歳、萩往還250kmは8回完走のベテランから今年初挑戦の初心者までと、実にバラエティーに富んでいた。17:39に仙崎駅到着。数人が駅前の食堂で腹ごしらえ、その間スーパーで買い物をして、18:03、練習会がスタートした。
北九州〜仙崎
俵島と油谷島
山陰線の車内から(伊上駅付近)

長門市駅で乗り替え
右が小串からの山陰線
左が美祢線回り仙崎行き

仙崎駅前でスタート前の記念撮影
赤野さん、ゆきひろ父さん、原田さん
横ちゃん、山本さん、とみかずさん
■ 3月12日 仙崎〜三隅〜宗頭〜藤井酒店 INDEX
 風は思ったほど強くはなく、走りやすかった。時速7kmくらいでのんびり集団走。55分で、三隅町役場過ぎのLAWSONに到着した。ゆきひろ父さんと横ちゃんが缶ビールを買ったのを見て、つられて1本購入。この頃から時々雪が舞うようになった。
 1:45で宗頭に到着。もちろん風呂もないので、直ぐにスタート。藤井酒店から左折、山道にかかったところで、一晩中車でサポートしてくれた河野さんがやってきた。国道191号に上がり、2:50で鎖峠を通過した。仙崎から約20km。国道に上がってから峠まで、かなり遠く感じられた。
仙崎〜三隅〜宗頭〜藤井酒店
PM7時
三隅町のコンビニで早速缶ビール
雪が降り始めました
PM7:50、宗頭に到着

左から西田、植村、山本、横田
田中、赤野、前村
■ 3月12日 鎖峠〜迂回路その1:国道191号線沿いの旧道 INDEX
 鎖峠の先、国道191号線の左側にある旧道が、今年から正式なコースになるかもしれない。国道は通行量が多くしかも飛ばすので、安全第一である。
 その旧道は鎖峠から150mほど下ったところから入る。下記のコース図(クリックで拡大図)だと、鎖峠から直ぐのマークのところに、大きな「R=100m」の標識が立っているので、ここから左の旧道に入っていく。事務局に拠れば距離は約2.9km、国道より600mくらい長くなるそうだ。もちろん照明もないが、右上に国道の照明が見えるので、怖くはないだろう。
 問題は、どこかで必ず国道を横切って左側を走る必要があるということと、国道にある自販機が旧道には無いということくらいだろう。安全面では全く問題ないし、距離が長い分、坂が緩いので足にも負担がかからず走りやすいように思う。
 床並という集落を抜けてしばらく走ったところに、二番目の分岐、「めがね橋・一里塚」の標識が立っている。しかしこれが分かり難い。標識自体は結構大きいのだが、地上から5mはあろうかという、かなり高いところに設置されている。真っ暗闇、下を向いて走っていたら、絶対に見落とすだろう。大会の時には、点滅ライトなどを設置してもらえると助かります。間違えて真っ直ぐ走っても国道191号線に合流するだけなので、ロスは少ない。
 この分岐点から左斜めに細い農道を下り、市の集落にはいると左折して三見駅方面である。緩い下り坂で走りやすいが、道幅は狭くガードレールもないので、横の川に落ちたりしないように注意しよう。
迂回路その1:国道191号線沿いの旧道
クリックすると拡大図が表示されます
鎖峠から国道191号迂回路(クリックで拡大図)

宗頭から三見までの地図はこちら
国土地理院2万5千分の1:鎖峠

その標識は、遙か頭上にあった
分岐その1・「R=100m」標識 分岐その2・「めがね橋・一里塚」標識

旧道入口の「R=100m」標識を左折。
国道191号線の左側にあるが、
大きくてかなり目立つ。
矢印に従って右に行かないように。

二番目の分岐、「めがね橋・一里塚」標識を左折。
右から三番目の人の後方に標識が立っているが、
その標識は頭上、かなり高いところにある。
暗い中、下を向いて走っていたら絶対に見落とす
農道にはガードレールがないので、
気を付けないと下の川に転落する。
その川をのぞき込む前村さんととみかずさん
■ 3月12日 三見〜玉江 INDEX
 仙崎から約24km、3:45で三見駅着。ちょうど東萩行きの最終列車が到着し、降りてきた乗客が怪しげなランナーに顔を引きつらせながら挨拶して行った。10分ほどの休憩でスタートした。民家が途切れ、河内第一踏切を渡ると、何となく不気味な雰囲気になってきた。今回はまだ0時前だし集団走なのでわいわいがやがや走っていたが、、、幽霊!。と思ってよく見たら、白いドレスを着たかかしだった。暗くて頭が見えず、白いドレスだけが闇夜に浮かび上がった時は、一瞬背筋が凍り付いた。何か出てくるのではと怖くなって、ライトを振り回していたら、今度は急に鳥が飛び立った。本番では丑三つ時に走ることになるのだろうか。
 しかし程なく海岸沿いの道に出た。海はかなり荒れており、風も強かったが、雪は止んでいた。玉江までが結構長く感じられたが、4:56で玉江駅に到着。仙崎からは約30km、ようやく3分の1である。駅に入ると、後から二人の男性が入ってきた。怪しいランナーの後を付けていたのだろうか。
三見〜玉江

PM9:50、三見駅
右後方がサポートの河野さん

横ちゃんの希望で記念撮影
(三見駅)
PM11時、玉江駅
そろそろ眠くなってきた
■ 3月12日 萩市内〜迂回路その2:24時間スーパー「キヌヤ」 INDEX
 玉江駅を出発して常盤橋を渡る。海からの風がかなり強く、冷えてきた。萩城趾前を右折、旅館街を通過すると、左手に萩看護学校が見えてくる。その先、菊ヶ浜に沿って左へと進むのがオフィシャルコースだが、これを昨年道なりに右方向へと進んでしまった。そのままでも良かったのだが、寝惚けた頭でまともに判断できず、元に戻った。その時に大きな24時間営業のスーパーを見つけ、今回ここも偵察しようと言うことになった。場所は熊谷美術館近くで、道路右側にある「キヌヤ」である。食料もアルコールもあった。電子レンジもあり、弁当や惣菜などを温めることもできる。天津丼を買い、2本目の缶ビールを飲んだ。今回は寒かったので、店内で休ませてもらったが、大会の時には外で食べるようにしてください。
 「キヌヤ」をスタートして間もなく、日付が変わった。この道沿いにはもう一件、「サンマート」もあったが、こちらは21時まで(?)。萩グランドホテル前を左折すると、左側には24時間営業の「ジョイフル」もあった。その先の雁島橋で、オフィシャルコースに合流。
迂回路地図
クリックすると拡大図が表示されます
萩市内迂回路・24時間スーパー(クリックで拡大図)

国土地理院2万5千分の1:萩市
■ 3月13日 笠山〜虎ヶ崎〜東光寺〜萩有料道路休憩所 INDEX
 萩焼会館前を通過し、海沿いの道を笠山へ。さすがに海沿いは風が強い。昨年は鎖峠からの下りで足を痛め、笠山は辛くて遠い道のりだった。その印象が強かったせいか、わりとあっけなく6:36で明神池に着いた。笠山頂上に着いたのはスタートしてちょうど7時間後だった。風が強いので早々に退散したが、ここから虎ヶ崎・笠山周回はかなり冷え込んだ。休憩時間も短くなる。虎ヶ崎には7:24で到着、仙崎〜瑠璃光寺のほぼ中間点である。半島北側、正規の自然道を通って明神池に戻る。スタートして7:55、AM2時だった。さすがに眠くなってきた。
 東光寺へ向かう途中のコンビニに寄り、試しに「眠眠打破」を飲んでみたが、これが大失敗。目が覚めるどころか胃に刺激が強く、吐き気がしてきた。52km、東光寺には、8:56で到着。帰りは川沿いでなく、住宅街を通って松陰神社へ向かった。早くも新聞配達の人とすれ違う。松陰神社近くのコンビニで休憩、店の外でほんの一瞬ウトウトしたが、これでスッキリした。前回道がわからなくなった市内も赤野さんのガイドでスムーズに通過、国道と別れ涙松址へ。横に満開の花を付けた木が立っていた。桜?、その時期に雪が降るとは。この頃から再び雪が舞い始めた。AM4:30、萩有料道路の休憩所に到着した。スタートしてほぼ60km、約3分の2を10:25、予定通り16時間後のAM10時頃にはゴールできそうだ。
笠山〜虎ヶ崎〜東光寺
AM1:05、笠山頂上
風が強い
AM1:30、虎ヶ崎
寒いので休憩も短め

AM3時、東光寺

東光寺前で横たわる横ちゃん
AM4:20、涙松址
桜(?)が咲いていた
この辺りから雪が少し強くなってきた
■ 3月13日 明木〜一升谷〜佐々並 INDEX
 AM4:45、萩往還入口で記念撮影して、真っ暗闇の萩往還へ。走らず早歩きで上った。下りも滑りやすく、所々溝もあって慎重に下った。この溝に足を引っかけて転倒し、爪を剥がして靴まで見失った某ランナーの話題になった。真っ暗な往還道を走るトップランナーの恐怖感が少しわかった気がした。心配した凍結はなく、一人も転ばずに下った。明木川沿いの平坦な道を走り、明木村役場前に11:15で到着した。段々雪の降り方が強くなってきた。この先左折で一升谷へと向かう。この辺りは旭グリーンアドベンチャーマラソンでも走っているが、歩く時間が増えたせいか五文蔵峠の休憩所までかなり長く感じられた。その休憩所には空が明るくなり始めたAM6時頃に着いた。眠かったので横になったが、寒くて寝られたものじゃない。
 峠を越えると目の前に釿切の集落が広がる。見事な雪景色だった。立ち止まって何枚か写真を撮った。国道262号に上がり、往還道と国道を交互に走る。積雪が多くなり、飛ばしてくる車が突っ込んでこないかと冷や冷やした。往還道の積雪は2-3cmくらいだろうか、それほど走りにくいことはなかったが、足が冷たくなってきた。落合から千持峠に向かう途中、大きな倒木が道をふさいでいた。真っ暗闇だと転倒必至。13:00で千持峠の休憩所に到着。コンビニで買った黒糖ドーナツ等を食べたが、温かい麺類でも食べたい。その思いはみんな一緒のようだった。靴下を二重にしてスタート。峠を越えて、佐々並には13:24で到着。みんなの思いが通じたか河野さんがカップラーメンを作ってくれ、10人で分けた。やや長め20分の休憩で最後の難所、夏木原キャンプ場〜板堂峠へと向かった。
明木〜一升谷〜佐々並
AM4:45、萩有料休憩所上の萩往還入口
真っ暗で何も見えない

一升谷を抜け釿切へ下ってきたら、一面雪化粧

AM6:50

道を塞いだ倒木
AM7:30、佐々並到着
河野さんが用意してくれた4個のカップラーメンを
10人で分けた
■ 3月13日 国道262号線〜往還道迂回〜首切れ地蔵 INDEX
 佐々並をスタートして国道に戻ると、正面から雪混じりの強い風を受けるようになった。長い上りが続くが、途中、国道の右側を走る日南瀬川沿いの往還道へと入ってみた。中の作で首切れ地蔵への道と合流するが、国道の峠越えよりなだらかで安全だった。車は殆ど通らず、場所によって5cmくらいの積雪だった。首切れ地蔵の先、いよいよ夏木が原キャンプ場への長い上りにかかる。雪混じりの向かい風がきつい。歩きが増え、キャンプ場駐車場には14:50で到着した。残りあと10kmを切った。
国道262号・往還道迂回路〜首切れ地蔵
クリックすると拡大図が表示されます
国道262号〜萩往還迂回路(クリックで拡大図)

国土地理院2万5千分の1:佐々並

AM8:10、迂回した往還道の雪景色
AM8:25、首切れ地蔵
■ 3月13日 板堂峠〜天花畑〜瑠璃光寺 INDEX
 最後のきつい上りは早歩き、スタートして約15時間で板堂峠に到着。真新しい足跡が一つあったが、東鳳翩山へと向かっており、往還道は誰も入っていないようだった。板堂峠で全員記念撮影。雪があって滑るかもしれないと言う意見も出たが、雪の往還道を走るなどと言う貴重な体験は二度とできないだろう。迷わず全員、雪の往還道を下ることにした。天花畑まではバラバラの自由走となってしまった。途中の石畳で、ゆきひろ父さんと西田さんが転んだらしい。天花畑には15:35で到着、雪は降り続いていたが、積雪は殆どなかった。全員が揃ったところで、再び瑠璃光寺まで自由走。そして、16時間7分、AM10:10、瑠璃光寺にゴールした。
板堂峠〜天花畑〜瑠璃光寺
AM9:10、雪の降りしきる板堂峠にて

一ノ坂一里塚付近の石畳
AM9:40、天花畑に到着

瑠璃光寺五重塔
梅が満開だった
■ 終わりに INDEX
 タクシーに分乗して湯田温泉・湯楽里に行き、温泉で体を温めてから早速打ち上げ。今回は、大会に備えた練習会でコースを頭にたたき込むという他に、一部コースの試走という目的もあったが、いずれの迂回路も安全面では問題ないように思った。ただ1ヶ所、191号線沿いの旧道から農道へ左折する「めがね橋・一里塚」標識付近には、目印を置いて欲しいと思う。また昨年の台風によると思われる倒木が数ヶ所あり、注意が必要である。
 いいトレーニングになったが、それ以上に、雪の萩往還を走るというとても貴重な体験ができたのが感動だった。
 この練習会が本番につながったかというと、、、第17回山口100萩往還マラニック250km反省記
Back Running & Photo Report by U-san Running & Photo Report by U-san
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