第17回山口100萩往還マラニック250km反省記
初リタイヤまでの顛末---2005年5月2〜4日
INDEX 1月〜4月 萩に向けての準備
2005萩往還Tシャツに書かれた
小野大会会長のメッセージ
見るたびにリタイヤを後悔する
2月−走りたかった大村湾
4月−疲れをためた?
5月2日 快調にスタートしたはずが
5月3日 睡魔、集中力も気力も失い、そしてリタイヤ
リタイヤ後
LINK 山口100萩往還マラニック・オフィシャルサイト
絆banso.com・クニさんの「山口100萩往還マラニック」
 天気に恵まれた2005年の萩往還。三日間雨にたたられた昨年に比べ、完走率は上がり、タイムもよくなった人が多かった。確かにうっとうしい雨より、走っていて気持ちがよかった。
 それにもかかわらずリタイヤした。3月に萩往還を走るなど、それなりに準備して臨んだつもりだった。故障でもなんでもない。何が何でも、歩いてでも瑠璃光寺に戻る、そんな気力に欠けていた。一体何が足りなかったのか、初リタイヤとなった今回を振り返ってみる


■ 萩に向けてのトレーニング
練習量 (目標)
1月 345km (300km)  新年早々練習会に遅刻するなど、どこか気の緩みがある。大会はいぶすき菜の花マラソン、練習会では貫山〜井手浦〜麻生林道を走ったくらい
2月 229km (300km)  昨年は大村湾一周160kmが弾みになったが、今回は仕事で走れず、エイドなどを手伝うことにした。そのための準備などに忙殺され、月間走行距離は先月を大きく下回った
3月 418km (400km)  先月の練習不足を取り返そうと気合いが入った。3/6の岡の里名水マラソンで自己ベスト、3/12-13はコースを頭にたたき込もうと仙崎から瑠璃光寺まで90kmを走った(雪の萩往還練習会)。3/20は屋久島エコジャーニーランにエントリー、久々月間400kmを超えた
4月 377km (400km)  焦りが無理な練習につながったのだろうか。少しは体も休め、睡眠を十分取るべきだったのだろうが、4/2にさが桜マラソン前の脊振山越え、4/10に鬼たいじマラニック、4/17に玄海100km葉桜ラン。ここで止めておけばいいのに、4/23-24は宗像ユリックス24H駅伝。チームでの競技となると、どこかで無理してしまう。そして寝不足。
 1月からの合計は昨年を88km上回る1369.0kmにとどまった。その一方で3月からの2ヶ月間は昨年を179km上回り、直前に無理して疲れだけが残った感じ
■ 装 備
緑十字  最近なぜか自分の周りにケガ人が目立つ。緑十字を付ける以上、ある程度のものは持っていった方がいいかなと思い、下の写真のような薬・処置用品を用意した。余計な荷物かなと思ったが
ライト  LED1灯・3灯・クリプトン切り替え式のHOHER BERG headlamp102(wt.134g)をメインに使ったが、集光レンズ式のLEDライトに比べると暗く感じる。
 3月の萩往還練習会では集光レンズ式のPrincetonTec IMPACT2(wt.80g)を使ったが、十分な明るさだった。ただし手持ちというのが難点。ちなみにとみかずさんは集光レンズ式のヘッドランプを使用
ウェア
その他
 必需品のデジカメはメモリーを512MBと8倍に増やした。電池は4セット。地図は昨年同様、大会事務局から送られてきたものにクニさんのコースガイドなどを貼り付けてA4に縮小したもの。ただし最近細かい字が見づらくなってきた。
 天気がよく、昼夜の気温差が大きくなりそうなので、夜間は長袖・ロングタイツにUMMLerのウィンドブレーカー。油谷中学校に、半袖・ショートスパッツを預ける予定で準備したが、結局預けなかった。アンダーウェアーは股擦れ防止にとパタゴニアのBoxer briefを購入した。股下14cmあり、ディクトンを使わなくても股擦れとは無縁である。靴はASICSのGEL KAYANO IXとGEL1100。昨年は前半をKAYANO X、宗頭からGEL1080に替えたが、KAYANOはちょっと重い。そのため今回はGEL1100で走り、宗頭にKAYANOを預けることにした。
 だいぶ荷物が多くなり、今回もGregory Reactorに入れて走った
内服薬・外用薬 処置用品 非常食

胃薬は水無しで飲めるPPIなど
外用薬は消炎鎮痛剤の他に
湿疹や痔の薬なども入れた

一部病院の消耗品も、、、
左下は人工呼吸用の簡易マスク

ハンガーノックに懲りて持っていった
下は医療用のブドウ糖ゼリー
左はとみかずさんお薦めのねり梅

2005山口100萩往還マラニック250km反省記
■ 5月2日 山口へ出発
 この1ヶ月間、連日寝るのは2時3時が当たり前だった。睡眠不足で疲れがたまっていたので、前日くらいはゆっくり寝ようと思っていた。しかし5月1日深夜、正確には2日午前1時24分、地震で目が覚めた。福岡県西方沖地震の余震で、八幡西区は震度3となっていたが、マンションの10階はよく揺れた。完全に目が覚めてしまい、仕方なく起き上がって、AM3時過ぎまで荷物のチェックをしていた。幸い体に感じる余震はこの1回切りで、それからしばらく寝たが、今年も極度の睡眠不足で臨むことになった。
 2日昼前に北九州を出発、北九州ウルトラRCメンバーを拾って山口へと向かった。天気は良く、三日間雨の心配は無さそうだが、その分昼は暑く夜は冷え込み、その寒暖差が気になった。 14時過ぎ山口着。大会本部前で3月の練習会をサポートしてくれた河野さんにバッタリ会い、その時の御礼を言った。せっかくなのでさかぼんさんにも挨拶してから、瑠璃光寺へと向かった。サポートに回ったタラさん、ふじもっちゃんらに会う。天気が良く、ツツジは満開、新緑も鮮やかだった。明後日無事に帰ってくることができるだろうか、受付を済ませてから、完踏祈願した。
 荷物を置きに木町集会所へ。つっちーさんに会い、今年のピースランのパンフをもらった。
 15時から説明会。小野節は健在だったが、会場が山口県教育会館に変わり、雰囲気がガラッと変わった。コース説明もプロジェクターを使うなど、この1年で急にIT化が進んだ感じがする。説明会の後、会場の外でUMMLerの記念撮影。多くのメンバーと久しぶりの再開で、スタート前、最もリラックスできる時間だろう

瑠璃光寺五重塔

今回はボランティア&サポートの
タラさん(左)、ふじもっちゃん(中)
右は奥幸二さん
教育会館での説明会

PC+プロジェクターとIT化が進んできた

説明会後、UMMLメンバー等と記念撮影

INDEX 瑠璃光寺〜西寺 豊田湖〜海湧食堂 俵島〜千畳敷 西坂本〜鯨墓〜仙崎 リタイヤ後
■ スタート前の瑠璃光寺
 木町集会場に戻って、着替えと荷物のチェック。途中の着替えは宗頭のみとした。知り合いを見つけては写真を撮ったり話し込んだりで、気が付いたら17時を過ぎていた。慌ててコンビニに行き、食料を調達して、スタート地点へと向かった。
 瑠璃光寺でも知り合いを見つけては写真を撮ったりと、リラックスムードでスタートの時間を待つ。写真を撮りながらじわじわと前の方に割り込んで、第2ウェーブの集団へと潜り込んだ
スタート前のスナップ

厳しい表情の原田さん
初完踏への闘志かそれとも緊張か

北九州ウルトラRC
澤田さん、山崎さん、西田さん

リラックスムードで記念撮影するUMMLerの面々

INDEX 瑠璃光寺〜西寺 豊田湖〜海湧食堂 俵島〜千畳敷 西坂本〜鯨墓〜仙崎 リタイヤ後

■ 5月2日 瑠璃光寺〜上郷〜下郷〜西寺〜豊田湖---快調にスタートしたはずが、、、
瑠璃光寺〜上郷〜下郷〜西寺 到着時刻 Lap Time スタートから 昨年比
 上郷駅前 13.4km 19:22 1:17:06 1:17:06 ▲0h06m
 湯ノ口交差点 21.6km 20:27 0:54:55 2:12:00 ▲0h10m
 下郷駐輪場 27.6km 20:54 0:37:45 2:49:45 ▲0h15m
 西寺エイド 43.9km 23:00 2:10:40 5:00:25 ▼0h01m
 上田代三差路 49.7km 23:56 0:50:54 5:51:19 ▲0h09m

夕暮れ時の椹野川沿いを走る
瑠璃光寺〜椹野川〜上郷駅前
 いつものように「エイエイオー」と気合いを入れ、18:05、二度目の萩往還がスタートした。今年はフラダンスがなく、太鼓の演奏に送り出された。写真を撮ろうと車道に降りたら、早速係員に注意された。
 第2ウェーブにはドンガメオーさんや青馬会RCの濱ちゃん、北九州ウルトラRCの桂木さん・前村さん等が一緒だった。序盤、焦っても全く意味はないのだが、周囲のランナーにつられてペースが上がる。1km6分をちょっと切るくらいだろうか。宮島町歩道橋の上で写真を撮る。前方に虹が見えた。幸先がよい。
 椹野川沿いのコースは小さい虫がまとわりついて煩わしかった。ようやく第1ウェーブ・スタートのとり正のママに追いついた。その直後、携帯に身内からメールが入った。先日退院したばかりだが、調子が悪くなり明日救急外来を受診するとのことだった。気にはなったが、今さら戻るわけにもいかない。気になりつつもまずまず順調に走り、昨年より若干早く、最初のエイド・上郷駅に到着した
瑠璃光寺スタート

18:05、スタート(うめ吉さん撮影)

力強い太鼓の演奏に送り出されてスタート
宮島町歩道橋

快調に飛ばすドンガメオーさん、まっちさん

北九州ウルトラRCの桂木さん・前村さん
上郷〜湯ノ口〜下郷駐輪場
 上郷駅前からヘッドランプを付けた。自転車道に入る頃からだんだんランナーの姿が少なくなり、寂しく、そして不安になってきた。しばらくして第1ウェーブスタートの渕上さん、菊ちゃん・shinakoさんに追い付いたが、併走することなくそのまま先行した。スパルタスロンを目指すドンさんは快調に飛ばしているようで、なかなか追いつかなかった。
 湯ノ口のエイドでおにぎりなどを食べて、直ぐにドンさんを追う。しかしだんだん点滅ライトが小さくなっていく。急ぐことはないし、カエルの大合唱を聞きながらのんびり走ることにした。それでも下郷まで、1kmほぼ6分ペースを維持していた
上郷駅前

濱ちゃんとkaisanが到着

ランナーを迎えるタラさん、左はshinakoさん
下郷〜秋吉〜西寺エイド〜上田代三差路
 下郷を出て4kmほどで自転車道が終わる。その終点に私設エイドがある。これを過ぎたら県道31号へと左折。ガイドにはそう書いてあった。ところが路面には直進の矢印。何の疑問も持たずに直進したら、こんな所は走ったことがないと、一人のランナーが戻ってきた。その前方にはドンさんがいたが、他にランナーの姿が見えない。地図を出して現在地を確認しようとしたが、どうも老眼のせいか、地図がちゃんと読めない。焦るのでますますルートがわからなくなる。仕方なくドンさんと元に戻ると、後続のランナーが次から次に正しく左折して行くのが見えた。問題の地点に戻ると、係員が「済みません、間違ってました」と頭を下げた。大きなロスにならなくて良かったが、真っ直ぐ進んでもちょっと遠回りして、ちゃんと県道に戻ることは、後で冷静に地図を見てわかった。3月の練習会で後半のルートは頭に入っていたが、序盤は周りにランナーがいるから何とかなるだろうと、コースを確認していなかったのだった。
 正しいルートに戻って門村までは直進、ロスを取り戻そうとペースを上げた。しばらくするとランナーが一人倒れていた。近付くと、顔から血を流していた。どうも車道と歩道を仕切る縁石に足を引っかけて転倒し顔面を強打したようだ。リュックから消毒薬やガーゼを取り出し、早速ケガの処置を開始、そばにいたランナーに事務局に連絡してもらった。その間、最終ウェーブスタートの大友さんらに先行された。サポート車が来て、結局救急車を呼ぶことにした。
 この間のロスは15分くらいだっただろうか、別に慌てる必要はないが、みんなに置いていかれた焦りか、少しスピードを上げた。しかし再スタート直後、今度は横を走っていたランナーが路面の凹凸に足を取られ転倒した。緑十字がいるからって、そうバタバタ転ばないで欲しいよなぁ。門村の手前で高津会長さんを追い抜く。西寺にはちょうど5時間で到着、途中のロスを完全に取り戻した。後から来た高津さんに追いつけなかったと言われたが、飛ばしすぎたか。だいぶ冷え込んできたので、温かいコーヒーをもらった。15分休憩の後、ウィンドブレーカーを着てスタートした。
 だいぶ冷え込んできて、走り出しても体が温まるのに時間がかかった。だんだんと山の中に入っていき、坂がきつくなってくる。菊ちゃん、shinakoさん、横ちゃん等としばらく併走。静かな山の中、黙々と走っていたが、一人だけ賑やかなランナーがいた。玉ゴンさんだった。去年はひどい股擦れに悩まされたが、玉ゴンさんからBoxer briefを教えてもらったのだった。おかげで最近、股擦れとはほぼ無縁となった。上田代の私設エイドには12時前に到着した。水分補給のちょっとの休憩でも体が冷え切ってしまった
西寺エイド

左からドンガメオーさん(2W)、大友さん(5W)、
shinakoさん(1W)、植村(2W)、菊ちゃん(1W)

2Lのカルピスウォーターを背負って
走ろうという佐藤さん

INDEX 瑠璃光寺〜西寺 豊田湖〜海湧食堂 俵島〜千畳敷 西坂本〜鯨墓〜仙崎 リタイヤ後
■ 5月3日 豊田湖〜俵山温泉〜大坊ダム〜小田・海湧食堂---睡魔との戦い
豊田湖〜大坊ダム〜海湧食堂 到着時刻 Lap Time スタートから 昨年比
 山本ボート切石亭 57.4km 5/3 0:47 0:51:31 6:42:50 ▲0h20m
 俵山温泉 66.0km 2:24 1:36:22 8:19:12 ▲1h14m
 大坊ダム 75.8km 3:35 1:11:20 9:30:32 ▲1h32m
 海湧食堂 86.2km 5:23 1:47:44 11:18:16 ▲1h16m

油谷湾の夜明け
上田代三差路〜豊田湖・山本ボート切石亭
 何となく道なりに進み、荒川橋を渡る。意外にここから豊田湖のエイドが遠い。百合野を鋭角に右折、豊田湖・山本ボート切石亭までは無理せず歩き、無事に到着した。途中のロスにもかかわらず、昨年より約20分早い。昨年は飛ばし過ぎて強烈な吐き気に襲われ、何も食べられず、1時間くらい休んでしまった。しかし今日は快調だった。何より食欲があるのが嬉しい。今回はしっかりうどんもおにぎりも食べた。だいぶ冷え込んできたが、順調に俵山温泉に向けて出発した
豊田湖〜俵山温泉
 豊田湖を出発して直ぐに眠くなった。いつものことだが何か食べると直ぐに眠たくなる。最近ずーっと睡眠不足だったことも影響している。蛇行し始めて、スピードも落ちた。その時だった。引き込まれるようにフラフラと道路脇の草むらに足を踏み入れた。何かそっちの方が正しいルートのように思った。自分でもなぜこんなことをしたのかわからないが、道路を踏み外した衝撃で目が覚めた。そのまま真っ直ぐ斜面を下っていったら豊田湖にダイビング、、、危ないところだった。しかしこの後も間断なく睡魔に襲われた。去年、雨を避けて仮眠を取ったバス停も見つけたが、前に進むことだけを考えた。大羽山交差点の自販機でジュースを飲み、一休み。寝ようにも寒すぎ、そのまま俵山温泉へ向かった。眠くてのろのろ走った割には、ここで1時間半の貯金ができていた。かなり冷え込んだが、エイドの中に入り、一眠りした
俵山温泉〜砂利ヶ峠〜大坊ダム
 数分の仮眠後スタートしたが、わずかな休みでも寒くて体が動かなくなってきた。寒さが応える。俵山温泉を出て砂利ヶ峠へ。昨年、おそらくクニさんを追って間違えた分岐も正しく左へ。ラン&ウォークで峠を越えた。
 砂利ヶ峠から大坊ダムまでかなり長い下りが続くが、惰性で下った。犬の遠吠えが聞こえてきた。怖くて休まず走り続けたが、野犬は出てこなかった。無事、大坊ダムのエイドに到着した。昨年より1時間半も早く、夜明けまではまだだいぶ時間がある。温かい豚汁が有り難かった
大坊ダムエイド 小田・海湧食堂

好調の菊ちゃん、shinakoさん

お疲れ気味の渕上さん
大坊ダム〜小田・海湧食堂
 それにしても眠い。去年も新大坊交差点を左折して中学校の横で一眠りしたが、夜も明けておらず外で寝るには寒過ぎる。ちょうどその時、自販機の置かれた建物を見つけ、中に入って一眠りした。ようやく頭がスッキリした。伊上交差点を右折し湯谷大橋付近でようやく白々と明けてきた。夜が明けてもペースは上がらず、上り坂では歩くことが多くなった。海湧食堂の手前で江口さんの車を見つけて、しばらく立ち話。途中の居眠りにもかかわらず、海湧食堂でも1時間以上の貯金があった。
 中に入るとタラさんが働いていた。お粥を食べ、少し横になる。しかし仮眠するなら荷物置き場の油谷中学校へと言われてしまい、仕方なくスタートした

INDEX 瑠璃光寺〜西寺 豊田湖〜海湧食堂 俵島〜千畳敷 西坂本〜鯨墓〜仙崎 リタイヤ後
■ 5月3日 海湧食堂〜俵島〜川尻岬〜立石観音〜千畳敷---集中力も気力も失う
俵島〜川尻岬〜立石観音〜千畳敷 到着時刻 Lap Time スタートから 昨年比
 CP1・俵島 97.3km 7:34 2:10:44 13:29:00 ▲1h14m
 CP2・川尻岬 107.2km 9:11 1:37:31 15:06:31 ▲1h11m
 シーブリーズ 112.8km 10:17 1:06:26 16:12:57 ▲1h13m
 CP3・立石観音 117.2km 11:06 0:49:00 17:01:57 ▲1h24m
 CP4・千畳敷 124.6km 12:35 1:28:21 18:30:18 ▲1h10m
俵島

遠くに角島と角島大橋が見える
海湧食堂〜大浦漁港〜CP1・俵島
 海湧食堂ではあまり寝られず、出発してまた直ぐに眠くなってきた。幸い夜が明けて気温も上がりだしたので、道路脇に座り込んで一眠りした。農協前、久津三叉路を過ぎて、早くも俵島を折り返してきたドンさんとすれ違う。いつの間にこんなに差がついたのだろう。俵島へは前回走っていない、半島真ん中のルートに入った。アップダウンが少ないのは南側のルートだが、北側や真ん中のルートはアップダウンがきついものの距離は短い。とても走れるようなところではないが、それでも南側のルートより時間はかからない。ここでは俵島を折り返してきた玉ゴンさんや横ちゃんととすれ違った。俵島手前では、菊ちゃん・shinakoさんに会う。二人とも調子がよさそう。記念撮影して別れた。昨年より1時間以上早く俵島のチェックポイントに到着した
CP1・俵島 油谷島

油谷島北側のルートは眺めがいい上に距離も短い
ただしアップダウンが厳しい
俵島〜CP2・川尻岬・沖田食堂
農協スーパーでビールを購入
 CP1で南側のルートを走ってきた高津さんと合流、桂木さんも一緒に北側のコースへと向かった。アップダウンがきつく、3人とものんびり歩いた。天気が良くて、海がきれいだった。俵島の向こうには角島も見えた。今回はここを走ってくる人が多く、クニさん、先崎さん、前村さんともすれ違った。大浦漁港でコーラを飲んでいたら、Y子さん、竹上さん、つっちーが戻ってきた。竹上さんが、やっぱり同じような走力の人間が集まるねと言ったが、確かに昨年は油谷大橋から瑠璃光寺まで、かなりの時間、一緒に走ったのだった。それからしばらくこの4人で走ることになったが、今年はついていくのがやっとで、ちょっと焦りを感じた。実力の差は明らかなのだが、何を勘違いしたのか。
 天気が良くなり少し暑くなってきたので、開いたばかりの農協スーパーに入り、アイスを買った。土屋さんは早速ビール。しかし一緒に走るメンバーがいると気が紛れていい。一人だと歩き続けてしまいそうな上りも、Y子さんらのおかげでラン&ウォークで進む。途中でふじもっちゃんとすれ違った。川尻岬にはほぼ15時間で到着、ここでも1時間以上の貯金があった。チェックを済ませ、早速カレーを食べた。ビールも一口もらった。しばらくして前川さん、風間さんが到着、入れ違いでスタートした
川尻岬・沖田食堂

朝食にもビール
入れ違いで川尻岬到着のとり正のママ(左)、澤田さん(右)
二人とも元気
川尻岬〜大浜海水浴場・シーブリーズ
油谷の棚田
 スタートしたところでとり正のママ、原田さん、澤田さん、水岬三叉路手前でクニさん、先崎さんと会った。天気が良く気温も上がってきたが、割合カラッとしているので、走るのには気持ちがいい。しかし走りながら病院経由の電話がかかってくるのには参った。畑峠を左折して川尻漁港へ。
 目の前に油谷の棚田が広がっている。去年は土砂降りだった。棚田の写真を撮り、愛知の鈴木佳江さんらも一緒に記念撮影した。川尻漁港へと下っていく途中、太宰府走ろう会の原田和裕さんの車とすれ違った。140kmスタート前だというのに応援で回っているようだ。漁港から海岸沿いをシーブリーズへ。Y子さんは快調に走り、付いていくのがきつくなってきた。それでも何とか付いていき、シーブリーズに到着した。
 天気が良かったので、外のテラスに出てジュースを飲んだ。実はこの時、とんでもないミスをしでかした。食券を出すのに地図を入れたクリアーファイルを取り出し、そのままピンク電話の横に置いてトイレに入り顔を洗った。ジュースを飲み終えスタートしようとした時にそのクリアーファイルを置きっぱなしだったことを思い出した。慌てて取りに行き、リュックに入れて、事なきを得た、、、はずだった
川尻岬〜川尻漁協

クニさん、つっちー、先崎さん、竹上さん、Y子さん

畑峠へ(竹上さん、Y子さん、つっちー)
シーブリーズ〜立石観音
ビールではありません(シーブリーズ)
 立石観音まで距離は大したことないが、ここもアップダウンがきつい。のんびり歩きながら坂を上っている時だった。北九州ウルトラRCの桂木さんから、シーブリーズにチェックカードが落ちていたというTelがかかってきた。慌てて荷物を見ると、地図は入っていたがチェックカードがない。血の気が引いた。
 取り敢えず立石観音まで行き、桂木さんを待つことにした。ちょうどその時、とり正応援団が来たので車で持ってきてもらい殆どロス無くCP3のチェックを済ませたが、本来ならこれは失格扱いだろう。こんなことがあって、この辺りから気力が無くなり始めた
立石観音
立石観音〜千畳敷
千畳敷から青海島を眺める
 アイスクリームを食べながら前半の山場、千畳敷へと向かう。Y子さんが一人快調に飛ばし、男性3人は必死に付いていくという感じだが、上りのラン&ウォークでは自分が真っ先に歩き始めてしまい、一人で足を引っ張っている感じ。疲れてスピードが落ちると眠くなって、さらにスピードが落ちた。Y子さんらには先に行ってもらい、道路脇に座り込んでしばらくウトウトした。天気が良く暖かくて気持ちよくて、そのままずーっと寝てしまいたかった。しばらくして後続のランナーがやってきたので立ち上がり、歩いて千畳敷を目指した。しかしY子さん等に置いていかれたことで、さらに気力が萎えてきた。去年は歩き通したといっても、もっと攻めの歩きをしていたように思うが、今年はその気力がない。それでも昨年より1時間以上早く、千畳敷に着いた。
 CP4のチェックを済ませ、鈴木佳江さん等とアイスクリームを食べた。天気が良く、そのまま芝生の上で寝てしまおうかと思った。駐車場に降りたら、とり正のママや澤田さんが到着。追い付かれたことで、なんかガクッと落ち込んでしまった気がする
津黄〜千畳敷

津黄岬への上りで後を振り向く
走る気力はない

千畳敷でもアイスクリームを食べる
土屋さん、鈴木さん、?

INDEX 瑠璃光寺〜西寺 豊田湖〜海湧食堂 俵島〜千畳敷 西坂本〜鯨墓〜仙崎 リタイヤ後
■ 5月3日 千畳敷〜西坂本〜黄波戸〜仙崎〜鯨墓〜仙崎---リタイヤ覚悟のビールと爆睡、そして、、、
西坂本〜仙崎〜鯨墓〜仙崎 到着時刻 Lap Time スタートから 昨年比
 西坂本集会所 128.6km 13:38 1:03:34 19:33:52 ▲0h44m
 仙崎(往) 143.6km 16:43 3:04:39 22:38:31 ▼0h16m
 CP5・鯨墓 152.8km 18:21 1:38:09 24:16:40 ▼0h23m
 静ヶ浦キャンプ場 157.0km 19:20 0:59:16 25:15:56 ▼0h34m
 仙崎(復) 163.0km 21:11 1:50:51 27:06:47 ▼1h12m

青海島---中央付近がおそらく鯨墓
千畳敷〜西坂本集会所
 千畳敷はとり正のママと一緒にスタートして先導した。西坂本までのきつい下りは、だいぶスピードを抑えて慎重に下った。とり正のママとおしゃべりしながらも、リタイヤのことを考えていた。最後まで気力も体力も持ちそうにない、どこでやめようか。
 完全に弱気になっていた。西坂本集会所には13時40分着、千畳敷での休みが長く、ついに貯金が1時間を切った。去年は外でカップラーメンを食べて直ぐにスタートしたが、今年は中に入った。つっちーが寝ていた。その横で、大の字になった。元気のいい中学生の声が響き渡っていたが、それでも眠れた。その間、とり正のママと澤田さんは出発していった。
 今回はよく寝た。俵山温泉に始まり、ここで6度目。しかも熟睡した。起き上がってカップラーメンを食べた。風間さんと話をしているうちに、まだ明るいし、取り敢えず行けるところまで行こうと、出発した

西坂本のイチゴが甘くて美味しかった
西坂本〜黄波戸〜仙崎
 ラン&ウォークで少しずつペースを上げた。足の調子が悪いという風間さんと同じようなペースだった。黄波戸に着いたのが15時20分。去年はここから仙崎にかけて、土砂降りにもかかわらず、まずまずのペースで走り続けていた。それなのに今年はどうしたことか。スピードは上がらず、その焦りもあって、ゴールに向かおうと言う気力がどんどん失われていった。
 リタイヤ覚悟で缶ビールを飲んだ。そこに北九州ウルトラRCの尾形さんからTel。調子が悪い、リタイヤする、と言ったら、まだまだ時間はあると怒られてしまった。目の前をゆっくり、しかし確かな歩調で村尾さん夫婦が通過していった。
 再び走り出した。幸いビールが効いて気が楽になり、少しペースが上がった。去年の走りを思い出した感じ。長門の町中に入り、ようやく風間さんに追いついた。一緒にスーパーに入って氷とアイスを買った。アイスを食べながらぼちぼち走って、仙崎公園に到着。ここでついに去年よりも遅れた。いつどこで止めようか
仙崎〜鯨墓〜静ヶ浦キャンプ場
 青海大橋手前に江口さんがいた。とり正のママは胃の調子が悪くてきつそうだったから引っ張ってやってと言われた。青海島に入って1kmくらい走ったところで、とり正のママに追いついた。それからしばらく一緒に走った。こっちは上りも下りもラン&ウォーク、ママはゆっくりだがしっかり走っていた。途中、鯨墓を折り返してきた菊ちゃん・shinakoさん、Y子さん、竹上さん等とも会った。つっちー、鈴木佳江さん、原田さん、赤野さんも折り返してきた。鯨墓の手前でクニさん、CP近くでは田代さん、澤田さんともすれ違った。だいぶみんなに差を付けられた。弱気になり気力が萎えていく。それでもとり正のママを先導し、CP5鯨墓に着いた。去年との差が開いてきた。静ヶ浦キャンプ場に戻る途中で前村さん、弟の兄さん等ともすれ違った。自分の後にまだ知り合いがいる、しかし安心感より、追い詰められた感じになってきた。
 静ヶ浦キャンプ場にとり正のママと一緒に到着。既にカレーは無くなり、うどんを食べた。とり正のママには先に行ってもらい、またも一眠り。しばらくして弟の兄さんが来た。前村さんは真っ直ぐ仙崎に向かったのだろうか。仲間にどんどん先行され、がっくり落ち込んだ。まだ後には渕上さんが西田さんが衛藤さんが走っているはずだった。しかし完全に気力がなくなった
青海島

早くも鯨墓から折り返してきた
菊ちゃん&shinakoさん

もうすぐ鯨墓折返しの
前村さん、仲嶋さん
静ヶ浦キャンプ場〜仙崎
仙崎湾---リタイヤ前最後の写真
 静ヶ浦キャンプ場を一人で出発した。暗くなり、また冷え込んできた。寒さが気力を奪う。空を見ると、星が揺れて見えた。
 3月の練習会は仙崎からスタートした。取り敢えずそこまでは行こう、そして仙崎で止めよう。気持ちはリタイヤに傾き、走ろうという気力は完全に消え失せ、下り坂もだらだら歩いた。
 青海大橋を渡ると、そこに江口さんの車が止まっており、中で江口さんが寝ていた。仙崎公園に戻ってきたのは、21時11分。途中、まだ鯨墓に向かうランナーともすれ違った。どのランナーもここで止めようという者はおらず、宗頭へ向けてスタートしようとしていた。歩いて付いていけば、宗頭まで行けたのかもしれない。
 しかし江口さんの車を見てしまった。早く車の中で寝たい。そしてリタイヤを告げた

INDEX 瑠璃光寺〜西寺 豊田湖〜海湧食堂 俵島〜千畳敷 西坂本〜鯨墓〜仙崎 リタイヤ後

■ リタイヤの後
■ 5月3-4日 宗頭
 江口さんの車に乗り、渕上さん・西田さん・衛藤さんらを応援しに青海島へ戻った。みんな元気に走り続けていた。それから宗頭まで送ってもらった。途中でだいぶ寝た。
 宗頭は着いたばかりのランナー、これから出発しようと言うランナー、風呂に入ったり食事をしたりするランナーで慌ただしい雰囲気だった。タラさんに会い、リタイヤしたことを報告した。
 厨房に柳さんを見つけた。昨年もリタイヤの後、宗頭でスタッフの手伝いをしていた。ボーっとしていても落ち込むだけなので、着替えもせず早速手伝い、味噌汁を運んだり器を洗ったりした。動き回っていれば気も紛れるが、しかし多くの仲間と顔を合わせる。その都度、リタイヤしたと言うのが辛かった。みんな疲れ果て、きつくて眠そうで、しかも外は冷え込んで来たが、12時を過ぎても、1時を過ぎても、瑠璃光寺を目指してスタートしていった。そんな姿を見ていると、リタイヤしたことを後悔し始めた。
 2時を過ぎるとランナーも少なくなってきた。すた子さんが缶ビールを買ってきてくれ、タラさんと三人で飲みながら遅くまで話し込んでいた。今年のさくら道国際ネイチャーランで女子2位・3位と、凄いランナーを相手に飲んでいたわけだが、サッパリした性格だったので、話しているうちに何となくリタイヤのショックが癒された感じがしてきた。AM4時、2階に上がって仮眠。

 翌朝、AM6時頃目が覚めた。体がきつい。缶ビール1本なのに顔が腫れていた。他のリタイヤしたランナー達も起きてきており、希望者には昨日の残りの味噌汁を温め、おにぎりと一緒に食べてもらった。厨房で洗い物をして、終わってからスタッフと一緒に食事を摂った。リタイヤバスが来たがそれには乗らず、江口さんに迎えに来てもらって高津さん・前村さんとともに瑠璃光寺まで送ってもらった

スタッフを手伝う柳さん

疲労困憊、深夜1時過ぎに宗頭出発の山崎さん

INDEX 瑠璃光寺〜西寺 豊田湖〜海湧食堂 俵島〜千畳敷 西坂本〜鯨墓〜仙崎 リタイヤ後
■ 5月4日 ゴール地点・瑠璃光寺
 途中でだいぶ寝た。9時頃瑠璃光寺着、天気は快晴。250kmのランナーも何人か戻ってきていた。木町集会所に荷物を取りに行き、高津さん、前村さんと湯田温泉へ。この時間、掃除のために閉まっているところが多かったが、案内所で調べたら国民宿舎小てるが開いていた。
 温泉に入る前に缶ビールを飲んだ。体重を計ってみると、逆に増えていた。浮腫のようだ。きれいサッパリ汗を流し、瑠璃光寺へ戻った。
 山門前でビールを買い、みんなのゴールを待った。Y子さんが41時間台で戻ってきた。置いていかれても焦ることはなかったのだ。竹上さん、つっちー、クニさんも戻ってきた。横ちゃんも42時間台。天気が良かったせいか、いいタイムが出ていた。140kmではダブルさんがぶっちぎりの大会記録で優勝されていた。その後ゴール地点に移動。菊ちゃん、shinakoさん、とり正のママ、鈴木佳江さん、前川さん、山崎さん、みんな帰ってきた。越田さんも余裕のゴール。長い杖で体を支えていた原田さんはゴール直前で倒れ込み、しかし杖を捨てて両足で立ち上がり、念願の初完踏。そんな感動のゴールシーンを見ていたら、早々にリタイヤしたことを後悔し、段々と落ち込んできた。
 ゴールの関門まで残り1時間、応援の人が増え、その中、多くのランナーが最後の頑張りを見せる。弟の兄さん、桂木さんが相次いでゴール。澤田さんは目が潤んでいるように見えた。風間さんはお孫さんを抱いてゴールした。しかし衛藤さんがなかなか戻ってこない。姿が見えたのは18時。第一ウェーブでスタートしたので時間切れだったが、みんなに祝福されゴールへと向かっていった。記録には残らないが見事な完走だった。みんなのゴールシーンを撮った後、shinakoさんの足にできたでかいマメを処置した。来年も救急グッズは必携となりそうだ。19時前、前村さんと惣野旅館へ向かった。
 荷物を部屋に置き、懇親会場へ。多くのランナーでごった返していた。全部は部屋に入りきらず、一部は中庭で飲み始めた。最初は中央付近に陣取っていたが、結局部屋の外へと押し出され、縞猫さん、ドンさん等と飲んでいた。完走したランナーより十分寝ているはずだが、それでも10時頃には眠たくなった。リタイヤしたので元気もなく、部屋に上がってそのまま直ぐに寝てしまった。
 AM5時半、早起きしたランナー達が早くもビールを飲み始めた。こっちはきつくて眠くてたまらず、ビールも飲まず、横になって話を聞くだけだった。同じ部屋に泊まっていたのは、弟の兄さん、つっちーさん、牛久鉄人倶楽部Mrサロマさん、ひさやんさん、ドンガメオーさん、ヤマさん、まっちさん、行広さん、横ちゃん等。完踏者が多いので、一歩引かざるを得ない感じで、なかなか話の輪に入れなかった。リタイヤして意気消沈、10時前に惣野旅館を後にした

わか@レッツランさんのインタビューを受ける
小野大会会長

瑠璃光寺境内でくつろぐ完踏者たち
ダブルさん、縞猫さん、集さん、横ちゃん
感動のゴール・シーン

140kmの部、ぶっちぎりの新記録で優勝の
ダブルさんに迎えられて横ちゃんゴール

何となく目が潤んでいるように見える澤田さん

お孫さんを抱いてゴールへ向かう風間さん

制限時間にわずか1分届かなかったが、
見事完踏の衛藤さん

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■ リタイヤ・ショックで寝込む
前後のCPK値(上)とHb値(下)
 163km、27時間06分で2回目の萩往還は終わった。青海島の帰路、ずーっとリタイヤの言い訳を考えていた。鯨墓往復に去年は3時間半、今年は4時間半かかっていた。とにかく千畳敷以降ペースはがた落ちだったのである。しかし時間はあった。歩きが殆どでも、宗頭には12時前に着いたはずである。リタイヤしそうになった時、納得できる三つの理由を考え、それが三つ揃わなければ走り続けろ、そう言われたことがある。リタイヤするための納得できる理由、、、残念ながらなかった。リタイヤできない理由を考えるという人もいたが、考える気力もなかった。故障でもなく、ただ気力が失せただけ、早く楽になりたいで止めた。
 5月末に届いた観覧舎マガジン11号のURプロフィールにダブルさんが登場された。個人の強さを測るとしたらという問いには、「心身ともにしんどいとき、あいまいな気持ちで妥協せずどれだけ踏ん張れるか」、個人の弱さを測るとしたらという問いには、「意志とは違う、周囲の空気や楽な方の誘惑に負けてしまうこと」と答えられていた。
 今回のリタイヤ、正にこの精神的な弱さが出たのではないかと思う。長丁場のレース、いい時も悪い時もある。悪くなっても我慢して歩いていれば、また復活してくる。わかっているのに、諦めが早過ぎた。弱気になってリタイヤを考え始めた時、立て直すことができなかった。
 確かに疲労も無視できない。慢性的睡眠不足に加え、直前の駅伝などで無理したこと、またアルコールが増えて体重も増えるなどの不摂生で疲労が蓄積していた。しかしこれは250kmを甘く見ていたということかもしれず、大いに反省すべきだろう。
 精神面の弱さばかりで、肉体的なダメージはたいしたことなく、ギリギリまで踏ん張りきらずに手を抜いていたかは、血液検査にも現れていた。右下のグラフ、貧血は、今回全く悪化していなかった。右上、CPKで筋肉のダメージを見ると、今回スタート前から高かった(宗像ユリックス24H駅伝の疲労?)ものの、走った後のCPK値は昨年の半分だった。CPKが下がりきらないうちに出た大会としては、昨年の秋田内陸100kmがあるが、この時は実に6000U/L以上になっていた。事実前半は、昨年を大きく上回るタイムで走れていたのである。もちろんそれを維持するだけの体力が無かったことも事実だが。

 血液検査でも精神面の弱さが証明されたことで、大会後から走ったところとは全く関係のない、変な頭痛に悩まされるようになった。そして突然39℃の熱に単純ヘルペス。気力・体力何もかもがどん底、たった一度のリタイヤでここまで落ち込むとは情けない話である。結局その後3週間、走るのを休むことになった。復活できるだろうか、立ち直るのにどれくらいの時間がかかるだろうか。今はまだその不安が大きい

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