台風接近!−−−えびす・だいこく100kmマラソン 2011年5月29日 |
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■ 5月28日 松江遠征−台風はどうなる? | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
しかし、思わぬ事になった。大会の1週間前に台風2号が発生した。この時期の台風が日本本土に接近することは少ないが、今年は違った。そしてこの台風2号は猛烈な台風に発達して、沖縄で5月としては最も強い最大瞬間風速55.3mを記録し、前線も影響して大雨となった。そしてその予想進路を見ると、強い勢力を保ったまま日本に接近、中国地方には大会が行われる29日午後に最接近するようになっている。北寄りのコースを取れば、暴風域に入るおそれもある。 気になって大会の公式サイトの掲示板を見たが、予定通り開催すると書いてあった。雨男・台風男で、先日のさくら道ウルトラ遠足でも暴風雨は経験済み、少々荒れても気にはならないが、それより帰りの足が心配だった。大会に出て月曜日朝までに戻るには、出雲市駅22:35発の博多行き夜行高速バスしかない。おそらく台風は通過しているだろうが、もし台風の接近が遅れたり暴風域に入ったりでJRや高速が不通になりそのバスが運休になって帰れなかったら、休診?、そこまでして参加すべきか。台風では一度、痛い目に遭っている。2004年のにちなんおろち、帰りの夜行列車が運休となり、急遽岡山泊、朝一番の新幹線で帰った。この時はギリギリ間に合ったが、山陰で足止めを食らったら絶対、間に合わない。28日の土曜日、取り敢えず荷物をまとめて、仕事に向かった。そして仕事中、何度も天気予報をチェックしたが、台風の進路予想は何度見ても一緒だった。暴風域に入らないことを祈って、予定通り松江に向かった。
気分が乗らなかったので、下調べもしなかった。実はこの高低図も終わってから作ったもの。ざっと見た感じでは前半にちょっとアップダウンがあって、後半の宍道湖沿いはフラット。他の100kmに比べてアップダウンは少なく、制限時間は14時間と長めだし、終盤の平坦なところがきつくなるかもしれないが、台風のため追い風に助けられそうだ。もっとも台風が予想より北寄りのコースを取って大荒れになれば話は別。 |
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■ 5月29日 台風接近下でのえびす・だいこく100kmマラソン−スタート地点・美保関へ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
会場手前の駐車場からマイクロバスで会場へ。ゼッケンは前もって郵送されてきたので、受付で出走のチェックだけして、美保神社前のスタート地点へ向かう。 美保神社は商売繁盛、漁業などの神、えびす様を祀る総本社。博多の山笠では恵比須流から出ていることもあり、一度参加したかったのである。しかし冷たい雨が降り続き、鳥居の前で記念撮影しただけで、お参りもせず、土産物屋の軒下で雨宿りしていた。 5:20頃から主催者の挨拶、「現在大雨注意報が発令されていますが、警報に切り替わったら直ちに大会は中止、バスで収容します」とのことだった。警報になってさっさと中止になればいいと思う反面、そんなことになればJRもバスも止まって帰れなくなりそうで、なんとも中途半端な気持ちでスタートの時間を待った。 |
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■ えびす・だいこく100kmマラソン前半 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
AM5時30分、えびす様とだいこく様に見送られ、個人の部がスタートした。スタートしてしばらくは、美保湾沿いの平坦なコースを進む。最初は混雑してスローペースで進んだ。風はなく、雨はあまり気にならない。5kmの距離表示がなかったのでペースがわからなかったが、無理せず前半5時間半、後半6時間半くらいを目標にした。7-8km走って福浦を右折、最初の上りが始まった。途中、青馬会RCのダッキーさんと会った。今回、後半の走りに影響を受けることになるのだが、そんなことはわからず、取り敢えず挨拶だけして先行した。標高62mほどの法田峠をあっけなく越えて、島根半島北側に出る。日本海沿いのコースは意外にアップダウンが多いが、もちろん走れないような坂ではなく、かえって変化があっていい。少し風が出てきて時々強い向かい風も吹いたが、日本海はまだそれほど荒れてなかった。隠岐行きフェリーが見えて来て七類港、10km通過はギリギリ1時間を切って59:53だった。腹が張ってきたので14kmのエイドではトイレに入る。トイレ待ちの間にダッキーさんに先行されたようだが、直ぐに追いついた。腹がスッキリして少しペースを上げる。しかし横を猛スピードのランナーが抜いていった。リレーの部のランナーだったが、個人の部のランナーとは全く走りが違った。20km通過は2:01:51、トイレ休憩のロスを取り戻し、ほぼ予定通りの1km6分ペースだった。その20km付近、北浦海水浴場だろうか、天気が良ければ、美しい青い海に石州瓦の赤が映えて綺麗だったのだろうなぁ。
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20km過ぎでUMMLerのTさんに追い付いた。いつも大差を付けられるのに、追い付くなんて珍しい。そして間もなく23km、笠浦漁港のエイド。ここまでのエイドも飲み物や果物などが充実していたが、ここは一段と充実、おにぎりやイカの煮付けなど様々なものが並んでいた。ただそのおにぎりが大きくて一瞬躊躇したが、味噌汁いかがですかという声が聞こえたので、温かい味噌汁をもらってその大きなおにぎりを流し込んだ。雨が降っていたのでスイカはパス、イカの煮付けをつまんでスタートしたが、序盤だからかそれとも雨で冷えるからか自分にしては珍しく休憩時間が短かった。
集落内の狭い道を抜け、入り組んだ海岸沿いを走る。25kmを2:32:34で通過、ペースは落ちてない。そして30km手前、チェリーロードに入る。標高差は100mちょっとだが少し坂がきつくなり、若干ペースが落ちた感じがする。それでも30kmを3:01:11で通過、休憩込みでも1km6分ちょっとのイーブンペースで、思ったほど落ちてはおらず、新緑の中を気持ちよく走った。途中、広島のNさんと並走した。車で来られたというので、もし夜行バスが運休になったら広島まで車に便乗させてくださいとお願いした。サポートのはっぴさんにも一畑バスの情報を調べてもらっていたが、バスが動かなくても広島まで行けば何とかなる。少し安心した。 チェリーロードを抜け、35kmは3:32:04、少し疲れが出てきた感じ。島根町を抜け、県道を下って大芦のエイドへと右折。エイドで痛み止めのスプレーを借りて筋肉痛のする脚にスプレーしたが、この雨・風ではスプレーも効いてない感じ。大芦のエイドを出て坂を上りきると、遠くに島根原発が見えて来る。Nさんが、島根原発が見えてくる辺りから眺めが良くなりますよと言ってたが、確かに眺めはいい。 40kmを4:04:34で通過、次第に原発が近づいてくる。コースは原発の敷地に沿って走る。有刺鉄線付きのフェンスに囲まれ、所々に撮影お断りの札がかかっていた。無視して撮ろうかと思ったら監視カメラがあったので止めた。原発の直ぐ横には素晴らしい景色が広がり、そして直ぐその先には民家もあった。原発と隣り合わせの一見、平和で長閑な風景。この付近は標高152mの山越えとなっていたが細かいアップダウンが続き、さすがにペースが落ちてきた。 |
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風が強くて体が冷えそうだったので早々にスタートしたが、痛み止めのローションを持って来たことを思い出した。はっぴさんの車に積んでいた荷物から痛み止めを取り出し、ポケットに入れてスタートした。そして数百m走った所で50kmの標識を見つけた。やっぱり片句のエイドは50kmではなかった。でも前半50kmを5:08:23なので上出来、自己ベストを更新できそうな気がしてきた。もっともこの時点で、後半の上りがどれだけきついか、知る由もなかった。 |
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■ えびす・だいこく100kmマラソン後半 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
片句エイドを出て50km付近も快調に上り、佐陀川沿いの道に下り、松江市役所鹿島支所へと向かう。ここが荷物の受け渡しも出来る55kmのエイドだったが、荷物を預けていなかったので時間のチェックも忘れた。海沿いから少し内陸に入ったせいか、雨・風が弱まった。例によって大きめのおにぎりを食べていたら、エイドのスタッフが「ここから横手林道と才の神峠の上りが待ってます、大雨警報が発令されたらここで打ち切りです」、と言うものだから慌ててスタートした。
佐陀川を渡り、再び海の方へ向かう。古浦の海水浴場付近からじわじわ上りが始まった。眺めはいい。この辺りの家も赤瓦が目立った。でも勾配もきつく、一気に標高150mくらいまで上った。歩きが増えてだいぶペースが落ち、60kmは6:16:27で通過。海沿いの曲がりくねった林道はなかなか終わらない。いつになったら半島の中へと入っていくのだろう。思っていた以上に中盤のこの林道はきつかった。そんな狭い林道、リレーチームの車がランナーを威嚇するようにクラクションを鳴らしながら通過したりと煩わしい。天気が良ければ、景色に癒されるのだろうが。65kmを6:50:21で通過、次第に海は荒れてきていた。 海岸近くまで下って、しばらく走ると66km、魚瀬エイド。ここもまたいろいろな食べ物が用意されていたらしいが、スルーした。この先が半島を横断する最後の上りのはず、どうせ歩いて越えるなら、休む時間は無駄。きつい上りは早歩きで進み、7時間20分で才の神峠を越えた。 |
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峠を越えれば宍道湖まで一気に下り、宍道湖沿いをひたすら走るだけ、気が楽になってきた。70kmを7:29:35で通過し、71km・大野エイドに到着。エイドに着く直前、広島のMさんに声を掛けられた。この日は走らず、車で仲間をサポートされていたようでしばらく雑談。エイドにあった青リンゴやコーヒーのゼリー、ラッキョウなどの漬け物も美味しくてちょっと休憩が長くなった。
津ノ森までの長い下り、途中で宍道湖が見えて来た。ダラダラ走ってたリレーの部のランナーも抜いた。そしてスタートして8時間で74km・津ノ森エイド着。足が疲れてきたのでエイドに寄った。ここにはしじみの出汁が利いた美味しい味噌汁があった。その味噌汁で大きめのおにぎりを流し込みながら、しじみも食べようとしたのが間違いだった。小さなシジミがたくさん入っており、食べるのに時間がかかった。いつもなら椅子にでも座ってゆっくり休みながら地元の名物を味わったりするのだが、この日は雨で体が冷えており、また記録更新を意識するようになって、いつの間にか座り込まない、休憩は短めにすると決めていたのだった。ちょっと時間をロスした感じ。記録を意識しなければ絶対お代わりしたであろう美味しいしじみ汁に後ろ髪を引かれつつ、スタートした。その先75kmは8:14:05で通過、大野・津ノ森二箇所の休憩が響き、5kmのラップで唯一40分超の44:29だった。
79km・園エイドに着くと、後にいると思ってたダッキーさんがなぜかそこにいた。いつ抜かれたのだろうか。イチゴをいただき、先にスタートしたダッキーさんを追った。湖遊館新駅の踏切を渡り、80kmを8:49:54で通過、1km7分に落ちてきた。R431号の交差点でダッキーさんに追いつき、そこからダッキーさんの前を走ったが、後にピッタリついてこられた。これはプレッシャーになった。引き離そうとしても差は開かない。休むに休めず、徐々にペースが上がる。84km・平田エイドに着いた時、ぜんざいを食べながら、ちょっときついので先に行ってくださいとダッキーさんに言ったが、もう少し引っ張ってといわれてしまった。85kmを9:24:52で通過したが、さすがに吐き気がしてペースが落ちてきた。90km・鳶巣エイドに着いた時はさすがにきつくて椅子に座り込んだ。タイムは9:58:43、10kmのラップは1:08:53で休憩を除けば1km6分ちょっとくらいだっただろう。100kmの自己ベストは更新出来そうだが、さらにペースを上げて11時間切りというのは無理だと思った。結局ダッキーさんとはここで別れ、しばらく休んでからスタートすることにしたが、あとで結果を見たらダッキーさんはしっかり11時間を切っていた。 90kmのエイドをスタート、時刻は15時を過ぎ、ちょうど台風が最接近していた頃だったのだろうか、風が一段と強くなった。幸い追い風だったが、だらだら歩くと、雨で濡れた体から体温がどんどん奪われて体が冷え切ってしまいそうだった。 最後のエイド、95km・遙堪には10:35:58で到着、あまり休まず直ぐにスタートした。そこからは歩かずまじめに走った。出雲大社の大鳥居前ではっぴさんが待っていてくれ、写真を撮ってもらった。ゴールまであと200m。日の出館前を右に曲がり、神門通り交通広場にゴールした。タイムは11:13:57、6年ぶりに自己ベストを20分更新した。今月はあまり練習出来ず時間内に戻ってこれたらいいかなと思っていたが、まさかの自己ベスト。ただし台風に助けられての追い風参考記録? |
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■ 無事にゴール&打ち上げ | |||
さすがにゴールして缶ビールを飲んでいたら体が冷えて気分が悪くなってきたので、直ぐ日の出館に行き、風呂に入った。その後、はっぴさんと二人で出雲市駅に行き、夜行高速バスが通常通り運行されることを確認。それから駅前の居酒屋で打ち上げ。充実した遠征だった。22:35に出雲市駅を出発した高速バスは翌朝5時過ぎ、無事に小倉駅に着いた。 |
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