第10回 四万十川ウルトラマラソン完走記
2004年10月17日
 二週連続100kmで始まったウルトラ2年目、何気なく申し込んだ四万十川UM100kmに当選してしまい、1ヶ月で3回、100kmを走ることになった。秋田内陸リゾートカップから3週間、足の故障で完全休養、それでも痛みは完治しなかった。足の故障に練習不足、不安はそれだけではない。
 四万十川には過去2回、キャンプで訪れている。いずれも雨の後の増水で濁流となっていた。今度こそ清流をと思っていたが、今年は台風当たり年。今回も南方海上に台風23号があり、幸い接近は遅れたが、10/20には日本各地に大きな被害をもたらしている。ちょっとずれたら危ないところだった。
 さらに不安だったのは交通の便が悪いこと。四万十川UMの制限時間は14時間(19:30)と、そうきついとは思わなかった。しかしレースが終わって九州まで帰るには、中村発19:10の特急に乗り、高知駅発21:20の夜行高速バスに乗るしかない。制限時間ギリギリまで走っていたのでは間に合わず、12時間30分(18:00)以内でのゴールがノルマとなった。

四万十川(81km付近)
四万十川ウルトラマラソン・中村市公式Web Site

■ 平成16年10月16日 中村へ
 ギリギリまで診察をして、慌ただしく病院を出て特急に飛び乗った。13時には福岡空港に着いたが、高知行きの便は30分遅れるとのこと。しかたなくビールを飲みながら出発を待つ。
 高知までは74人乗りQ400というプロペラ機。意外に早くて、高知まで1時間もかからない。ランナーらしき乗客は殆ど見かけなかったが、たまたま隣に座った男性が四万十川UM100kmに参加する人で、ずーっと話し込んでいた。15:40高知空港に着陸、タクシーで高知駅へと急ぐ。何とか16:28発の南風13号に間に合い、18:19中村着。改札を出たところで受付をお願いしていた山崎さんと会い、駅前で記念撮影をしてから民宿鮎へ向かう。
 民宿に着いて直ぐに夕食。おかずに鰹のたたきやウナギがついており、缶ビール2本に缶チューハイを飲んだ。
福岡から高知へ

JAC・ボンバルディアQ400(高知空港)

南風13号(土佐佐賀駅)
■ 平成16年10月17日 四万十川ウルトラマラソン−制限時間は12時間30分!
■ スタート前
 AM2:15起床、荷物をまとめ3時前に朝食、胃薬(パリエット・ガナトン)と鎮痛剤(ロキソニン)を飲んだ。AM4時に出発、循環バスでスタート会場の蕨岡中学校へ向かう。晴れているせいか、ちょっと冷え込んだ。ただ昼間は暑くなりそうなので、半袖・ショーツスパッツとした。中間点での着替えは無し。
 会場について山崎さんや浦さん、本多さんらに会う。UMMLer旗を持った吉田さんを見つけ挨拶に行ったが、前夜祭で盛り上がったのだろうか、集まってきたUMMLerは意外に少ない。数枚記念撮影をして、スタート地点へと移動した。
UMMLer記念撮影

中村さん、むいむいの母さん、丹代さん、吉田さん

UMMLer旗を手に。左隣は宮城先生
■ 前半快調に走る:中村市〜十和村
■ スタート:中村市〜堂ヶ森の峠 21km
 AM5:30、篝火に照らされスタートした。
 100kmの定員は1500人、ゲート通過に2分を要し、その後もなかなか前に出られない。最初の2kmは1km7分くらいのペースだった。足の痛みが再発するのも怖いが、遅すぎて特急に乗り遅れたらまずい。少しずつペースを上げた。
 気温は低いが、走り出したら気持ちがいい。ただ寒かったせいで右肩から腕が凝って、しびれてしまった。10km手前で山崎さんを追い抜く時、もたもた走るなと檄を飛ばされた。10km以降徐々に上りがきつくなるが、1km6分ペースをキープして20kmをちょうど2時間で通過した。峠の手前でUMMLerグッズの竹上さんに追いつきしばらく併走していたが、帰りの時間が気になりそのまま追い抜いた。こうして最初の峠は歩くことなく、一気に上りきった。
篝火に照らされスタート

UMMLer旗を振って見送るうずらさん
■ 堂ヶ森の峠〜十和村〜西土佐村 50km
 峠を越えたら、長い下りが続く。後方のランナーにどんどん抜かれたが、1km6分弱のペースを維持して足を痛めないように慎重に下った。峠からはしばらく万々さんと併走した。去年は蜂に襲われ、休まされている間に体が冷えてリタイヤしたそうだ。今年は蜂の姿は見えない。
 長かった下りが終わり、32km過ぎから四万十川が見えてきた。初めて見る“清流”四万十川だ。天気が良く、何枚も写真を撮った。走っても気持ちがいいが、カヌーはもっと気持ちよさそうだ。
 36.6kmエイドでUMMLer旗を見つけて記念撮影。40kmをちょうど4時間で通過、あと30分後にスタートする60kmの上野さんにTelした。47km付近で60kmの先頭ランナーに抜かれ、この頃から膝などに少し痛みを感じるようになったが、まずは順調、50kmを5:15で通過した。この調子なら11時間台前半が狙えると思っていたが、、、甘くはなかった。
四万十川−1

33-4km付近から四万十川が見えてくる(36km)

気持ちよさそうに川を下るカヌー(48km付近)
  距離     タイム     SPLIT   ※休憩時間込
10km 1:02:42 1:02:42
20km 2:00:35 0:57:53
30km 3:01:55 1:01:20
40km 4:00:47 0:58:53
50km 5:15:25 1:14:38
■ 後半大失速:西土佐村〜中村市
■ 半家沈下橋〜カヌー館レストステーション 62km
 51km過ぎ、上野さんに追いつかれたが、上野さんも好調そうだった。「ついてくる?」と聞かれたが、無理はしたくなかったので先に行ってもらった。事実この頃から痛みが少し強くなり、一旦休むと直ぐには走り出せなかった。53.6kmのエイドでこの日2錠目のロキソニンを飲み、足に冷たい水をかけた。
 エイドを出て直ぐ、最初の半家沈下橋を往復する。川原に下りて写真を撮ったりしたが、余計なことをしなければよかったと後で反省することになる。
 55kmから中盤の山場、きつい上りが待ち受ける。2kmで一気に100m上って下る。ここでも歩かず一気に走りきったが、さすがに下りでは足に応えた。若干ペースが落ちたが、それでも1km6分30秒前後を維持していた。オカリナの演奏に迎えられ、60kmを6:25で通過。
四万十川−2

半家沈下橋

半家沈下橋を過ぎて、56km付近の峠から
エイドでのスナップ−1
左は58.9km、右は62.2kmカヌー館レストステーション
どちらも水がよく売れていた
■ 岩間沈下橋〜中村市 80km
 6:40くらいで荷物預けもあるカヌー館エイドステーションに到着した。頭や足に水をかけ10分程休み、おにぎりや味噌汁などをいただく。入念にストレッチして、足にナパゲルンローションを塗り込んでスタートした。
 65km、以前ダッチオーヴン・クックオフで訪れた網代キャンプ場横を通過。その時は雨で増水し、川に潜っても何も見えなかった。今日は底まできれいに見える。しかしのんびりしている暇はない。カヌー館を出発する頃から足の痛みがかなり強くなっていた。エイドで休みいざスタートしようとすると足が痛くて走れない。ゆっくり歩きながら徐々にスピードを上げていく。何度も水をかけたりナパゲルンを塗ったりしたが効果はなく、1km8-9分まで落ちてきた。
 68.8kmのエイドを出ると岩間沈下橋だが、そこまでのちょっとの下りが足に応える。写真を撮りながら足を休めた。橋の上で、60kmのランナーとお互いのカメラで写真を撮り合った。
 結局60kmから70kmまでに1:30以上を要し、この後80kmまでは同じようなペースだった。80kmを9:24で通過したので、ゴールの関門14時間なら楽勝だが、12時間30分は危ない。
四万十川−3

岩間沈下橋

81km付近

清流(71km付近)
エイドでのスナップ−2

シイラ、寿司、鰹のたたき、川エビの唐揚げ
(80km過ぎの私設エイド)

アメ玉を配る、はにかむ少女
(82km付近)
■ ゴール
 80km過ぎ、寿司や鰹のたたき、川エビ・シイラの唐揚げなどが用意された私設エイドに到着。あれこれ食べていたら先行しているはずの上野さんがやってきた。途中で吐いてフラフラするとのことだが、いつ抜いたのだろう。一緒にスタートして、写真を撮ったりしながらゆっくり走っていたが、きつそうだった。
 相変わらず足は痛んだが、残り20kmを切って少し回復してきた。わずかにペースが上がり、エイドでの休憩も最小限にしたことで、90kmまでを1:24で走った。
 残り10kmを切ってスパートをかけたが、足の痛みに加えガス欠気味で足が思うように動かなかった。もうひと頑張りすれば12時間が切れそうだったが、それだけの力は残っていなかった。残り2km、最後にきつい上りが待っていた。せっかくここまで殆ど歩かずに来たのだからと、気力で走りきった。紙吹雪と篝火に迎えられ、17:36、ゴールにたどり着いた。ネットタイムは12:04と100kmのベストだったが、最後はよれよれ、立っているのもやっとという状態だった。
四万十川−4

四万十川の夕暮れ(95km付近)
ゴールにて

ランナーを迎える篝火

60km総合10位(種目別2位)の前村さんと
四万十川ウルトラマラソン完走証
  距離     タイム     SPLIT   ※休憩時間込
60km 6:25:45 1:10:20
70km 7:57:06 1:31:21
80km 9:24:11 1:27:05
90km 10:48:35 1:24:24
100km 12:04:22 1:15:47
■ ゴール−夜行バスで九州へ

無事、夜行バス「はりまや」に間に合った
 ゴール地点には前村さんがいた。60km女子年齢別で2位だったそうだ。その前村さんから乗鞍で一緒だったという中島さんという男性を紹介されたが、岩間沈下橋でお互いに写真を撮り合った方だった。何という偶然。体育館に荷物を取りに行き、着替えている時に掃守さんと会った。村田さんとともに10時間台でゴールしたそうだ。来年は参加するレースを絞って、10時間台を狙おう。
 上野さんも戻って来られた。ゆっくり話もしたかったが、そうも言っていられない。18時過ぎ、循環バスに乗り、18:40中村駅着。駅前のコンビニで缶ビールと弁当、お土産を買って、19:10発のしまんと10号に乗車した。
 出発と同時に山崎さんから13時間台でゴールしたとTelがかかってきたが、風間さんはまだゴールしていないらしい。まだレースは続いているのだった。ビールを飲んで一眠り、20:54に高知駅着。21:20発の博多行き夜行高速バス「はりまや」は、ゆったりした3列シートだったが、100km走った後の体には窮屈で、熟睡できなかった。
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