佐賀酒蔵巡りマラニック試走会 2006年3月

松浦一酒造にて
 米どころ佐賀は、夏暑く冬寒いという気象条件と肥前杜氏に支えられた、有数の酒どころでもある。明治期には約700もの酒蔵があったらしい。詳しいことは、佐賀県酒造組合のサイトをご覧下さい。
 佐賀酒蔵巡りマラニックは、佐賀県内の酒蔵を回る160km(オプション240km)のマラニックとして計画された。2006年2月の第10回大会を持って終了した大村湾一周ウルトラマラソンの後を継ぐレースと言うよりは、酒蔵を見て回る、どちらかというと地域興しを狙った大会になるようだ。その酒蔵巡りマラニック、第1回目のコース下見が行われ、佐藤先生等と走ってきました。もちろん途中で試飲したり、酒造りの道具などを見学したり、酒造りの苦労話を聞いたりと、楽しいマラニックとなった。
 コースは思ったほどアップダウンはない。前半部分を走っていないが、車の少ない旧道をのんびり走れたりと、大村湾に比べたら数段走りやすかった。また酒蔵間も10-15kmと、ちょうど上手い具合に点在していた。ただし、旧道入口など、十分な案内が必要だろう。景色は大村湾ほどの見所はないように思う。
 大会としては、マラニックより酒蔵巡りを楽しんでもらうことが重視されるだろう。そのため、夜間走はなく、二日間、2ステージ制で計画しているそうである。萩往還前哨戦などとしてガンガン走りたいランナーにはお薦めできない。試飲やお土産をどうするか、いろいろ検討課題はあるが、来年の大会が楽しみだ。
INDEX 3月4日
3月5日
SAGA蔵・佐賀県酒造組合

■ 3月4日 小城市〜多久市〜唐津市〜松浦市福島町・国民宿舎つばき荘 72.3km INDEX
 この日はもちろん仕事なので試走会には参加できず、電車で唐津に向かい、国民宿舎つばき荘で合流した。国民宿舎のある福島町は市町村合併で長崎県松浦市となったが、橋は佐賀県伊万里市とつながっている。経済圏を無視した訳のわからない市町村合併が行われているようだ。温泉もあるが、棚田百選にも選ばれた棚田が有名なところらしい。
 初日のメンバーは、佐藤先生の他に北九州ウルトラRCの西田さんと熊本さん(唐津まで)。5箇所の酒蔵と、今は資料館になっている元酒蔵の計6箇所を回られた。もちろん打ち上げは、途中の鳴滝酒造で買ったという生酒と粕取焼酎。なお、掲載している3/4分の写真は、西田和美さんが撮影されたものです。
3月4日の酒蔵巡り
■ 小柳酒造 “高砂” 小城市小城町
■ 天山酒造 “天山” 小城市小城町岩蔵
■ 小松酒造 “万齢” 唐津市相知町
■ 鳴滝酒造 “聚楽太閤” 唐津市神田長谷

利き酒をする3人のランナー
■ 田中酒造 “弓取” 伊万里市波多津町
酒造会社名と代表銘柄、所在地を記載しています。
社名は、各酒造会社のサイトにリンクしています。

■ 3月5日 国民宿舎つばき荘〜伊万里市〜有田町〜嬉野市〜鹿島市 71.2km INDEX
■ 国民宿舎つばき荘〜伊万里市
 AM5時過ぎに起床、玄関前で記念撮影し、6:20にスタートした。昨日70km走った佐藤先生も快調そうだったが、無理はしないようにおしゃべりしながらゆっくり走った。スタートして直ぐに明るくなり、ライトは要らなくなった。寒さもそれほど気にならない。黒塩交差点を伊万里湾大橋へと右折する。伊万里湾を渡る新しい橋だが、そこまで長い上りが続く。しかも橋の上はかなり強い風が吹いていた。
 橋を渡って埋め立て地の北端、久原付近で柵を越えて集落に入り、松浦鉄道を越えてR204を今度は南下する。最初の酒蔵は川浪酒造、スタートして13.4km、1h22mが経過した。煙突を目標にしていたが、既に醸造は別の会社に委託しているそうで、扉は閉ざされ煙突もなく、ただ「富士の雪」の看板が掛かっているだけだった。写真だけ撮って直ぐにスタート。松浦鉄道をオーバークロスして坂を下りきったところ、山代町楠久で左斜めの旧道へと入る。古い家並みが続き、しばらく走るとレンガの煙突が見えてきた。スタートして15.9km、1h37mで松浦一酒造に到着。入口には「歓迎佐賀酒蔵マラニック」の看板がかけられており、感動して記念撮影した。ここの酒蔵は博物館となっており、古い酒造りの道具や骨董品、古銭が展示されていたが、目玉はカッパのミイラ。謂われは不明だが、290年17代に渡って受け継がれてきたものがあると言われていたが、昭和28年の大水害の時、片付けに上がった大工の棟梁が梁にくくりつけてあった木箱を見つけ、その中から出てきたそうなのである。由来などが書かれたものはなかったが、箱に河伯と書いてあり、おそらく地下水を大事にする酒蔵なので水の守り神として大事にしまい、17代290年に渡り受け継がれてきたのではないかとのことだった。確かに頭部の骨格は人間とも違う。こんな話を20分も聞いていたら、さすがに体が冷えた。お土産に4合瓶を出されたが、重いからと断り、ワンカップを1本ずつもらった。
3月5日の酒蔵巡り−1
■ 国民宿舎つばき荘
■ 伊万里湾の夜明け

玄関前の椿
■ 川浪酒造 “富士の雪” 伊万里市山代町
既に酒造りは止めており、他社に委託しているらしい。
「富士の雪」の看板だけがかかっていた
■ 松浦一酒造 “誠” 伊万里市山代町楠久

歓迎佐賀酒蔵マラニックの看板

杉玉

河伯(カッパ)のミイラと伝えられる。
水の守り神として大事に祭られていた
 松浦一酒造をスタート、伊万里から有田にかけては殆ど坂道がない。2kmほど走り東山代小を過ぎたところで大きな樹が見えてきた。樹齢500年を越える青幡神社の大楠だった。この先、有田川に沿って走るようになる。二里大橋を過ぎるとR202号線、距離表示が博多区堅粕から70数キロなんていう表示になる。走って帰れそう。三番目の酒蔵、古伊万里酒造は松浦鉄道金武駅を過ぎて500mくらいのところ、スタートして23.7km、ほぼ3時間が経過していた。煙突もなく、ただの倉庫か工場かといった雰囲気。自販機のコーラを飲んで直ぐにスタートした。
3月5日の酒蔵巡り−2
■ 青幡神社の大楠(伊万里市)−−−樹齢500年以上
■ 松浦鉄道・金武駅付近

有田川に沿って南下
■ 伊万里市〜有田町
INDEX
  さらに南下、山谷交差点を竜門ダムへと左折、松浦鉄道の下をくぐって直ぐ、旧道へと右折する。3h37mで松尾酒造に到着。立派な煙突もあるが、建物は古く、扉も閉まって本当に操業しているのか心配になった。社長の松尾さんは研究熱心な方に見えた。酒造りの基本や酒蔵経営の苦しさなど語ってくれた。戦後一時、酒税などで売り上げの99%を持って行かれ時代もあったそうだ。話し出したらキリがないようで、気が付いたら30分以上経っていた。
 松浦酒造を出発して、旧道をそのままのんびり走る。蔵宿の先で松浦鉄道を渡り、有田駅方面へと左折、34km・有田駅前を5h03mで通過した。この先、県道4号を南下すると、久しぶりに長い上り坂となる。二つ目の坂を上りきると、有田ポーセリンパーク入口。ここからまた一旦下って上って約1km、39.8km・宗政酒造に、スタートして5h38m、ほぼ12時に到着した。佐藤先生もちょっと遅れて到着。この宗政酒造は焼酎の方が有名になり、施設も近代的な清潔な建物で、観光酒蔵「のんのこの郷」という名称である。見学客は一人もいなかった。と思ったらマイクロバスからぞろぞろ降りてきた。見学通路から焼酎工場・日本酒工場・地ビール工場を見て回れる。見終わると試飲コーナーがある。入ると誰も係員がいない。勝手に19度の原酒と43度の焼酎を試飲したが、さすがに焼酎は喉が焼け付くようだった。おにぎりを食べたりしながら40分ほど休憩した。
3月5日の酒蔵巡り−3

観光酒蔵のんのこの郷
日本酒より、焼酎“のんのこ”の方が有名

日本酒の醸造工場
■ 有田町〜嬉野市〜鹿島市
INDEX
  宗政酒造をスタートして再び長崎県へ。波佐見町から県道1号・バイパスに左折、ここから峠越えで嬉野までが今日一番の難所である。13時を過ぎて、ちょっと暑くもなってきた。佐藤先生がやや遅れがちで、一人黙々と走る。ポーセリンパークからほぼ10km、1時間ちょっとで長崎・佐賀県境に到着した。ここから嬉野までは一気に下り、と思ったが甘かった。一旦下って武雄・嬉野市境の嬉野トンネルまでもう一つ上るのだった。標高150mくらいだろうが、こっちの方が県境より高い。ここから嬉野までは一気に下る。嬉野ICの手前をショートカットするつもりで右折した。ところがこちらは再び上り坂、それもぐるっと迂回するような感じで、全く距離も変わらず、真っ直ぐ嬉野ICへ下った方が楽だったと後で知った。
 国立病院前でコーラを飲みながら一休み。佐藤先生は20分くらい遅れてようやく現れた。嬉野から鹿島までタクシーでワープするとのことで、ここから単独走となった。温泉街へと下り、楓ノ木を左折してしばらく走ると、井手酒造、スタートして54.6km、8h20mが経過した。写真だけ撮って直ぐにスタート。
 残り後16km、温泉街を抜け国道34号線に合流、工事中の歩道が走りにくい。一位原から塩田町方面へ県道28号を右折。嬉野から鹿島まではほぼフラット。一人になったので、気持ちよく飛ばす。しかしそこに落とし穴があった。塩田町の万才付近、何気なく鼻をかんだら鼻血ができた。ティッシュを鼻に詰め、お茶を飲みながら一休み。幸い気温が低かったので、直ぐに止まった。
 嬉野市役所(旧塩田町役場)手前を右折、派出所で瀬頭酒造・五町田酒造の場所を教えてもらった。橋を渡った先の信号を右折したところに、東一・瀬頭酒造の看板があり、しばらく行くと瀬頭酒造があった。しかし待ち合わせ場所、東長・五町田酒造が見当たらない。佐藤先生に拠れば直ぐ隣と言うし、警官の説明ではさらに200-300m先。写真を撮ってそのまま真っ直ぐ進み、鹿島方向へ左折するところを気が付かずさらに直進。ようやくコースアウトに気付き、佐藤先生にTel。本来の道に戻って、遠くから五町田酒造の写真を撮った。ここからゴールの矢野酒造まで約5km、しかし田圃の中の道は遠くまで見渡せてちょっと辛い。最後の方はぐるっと回り込んで鹿島川にかかる橋を渡る。
 鹿島市内に入って曲がり角が分かり難かったが、橋から約900m、交番の前を左折して直ぐにまた旧道へと左折したら、ゴールの矢野酒造が見えてきた。スタートして71.5km、10時間14分でゴールにたどり着いた。荷物を受け取りしばし雑談、麹甘酒をいただく。せっかくなので生酒原酒を買った。社長さんに祐徳温泉宝の湯まで送ってもらい、汗を流した。この後、佐賀に戻り、飲みながら反省会、21時にお開きとなった。
3月5日の酒蔵巡り−3
■ 井手酒造 “虎之児” 嬉野市嬉野町下宿
■ 瀬頭酒造 “東長” 嬉野市塩田町
この二つの酒造会社は兄弟とのこと
所要時間 休憩
川浪酒造 13.4km 1:22:29
松浦一酒造 15.9km 1:37:32 20分
古伊万里酒造 23.7km 3:03:11
松尾酒造 27.6km 3:37:24 33分
宗政酒造 39.8km 5:38:15 43分
井手酒造 54.6km 8:19:40
瀬頭酒造 66.0km 9:35:00
五町田酒造 9:50:08
矢野酒造 71.5km 10:14:00 ゴール

矢野酒造の社長さんと記念撮影
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