上田代を出発、一人旅になって再び強烈な眠気が襲ってきた。フラフラ蛇行したり、目の前に突然縁石が現れとっさに避けたり、そして走りながら完全に寝てしまったようで、、、衝撃で目が覚めた。ぶつかった相手はガードレールだった。幸いケガはなく、少し目が覚めてまともに走れるようになった。
　その直ぐ先ではとり正のママもママも転んでいた。点滅ライトを落としたそうだが、実はこの時に肋骨を折ったと、後でわかったらしい。一歩間違えば、自分も顔面制動か骨折くらいしていたかもしれない。気を付けなければ、と思っても眠気だけはどうしようもなかった。百合野からの上り坂は半分くらい歩いて、1：38、豊田湖到着。
　ちょっと吐き気がしたので、うどんだけをゆっくり食べた。眠くてガードレールに激突したという話をしたら、越田さんが眠気覚ましのBLACK&BLACKを分けてくれた。職場のスタッフ・長瀬さん達も到着、院長としての意地を見せようと、先にスタートした。

　だいぶ冷え込んできたが、ベストを着ていたので直ぐに体は温まった。しばらくつっちーや江戸川特急さんと一緒に走った。しかし再び強烈な睡魔に襲われ、フラフラ蛇行して、側溝に落ちそうになった。以前仮眠を取ったバス停で寝ようかと思ったが、話をしながら何とか付いていった。大羽山交差点の自販機もパスして、3：43、俵山温泉着。途中寝なかったのは正解だった。
　今年のエイドは昨年までのエイドとは道を挟んで向かい側、紅白の幕で囲まれて提灯がぶら下がり、中にはストーブ・足湯まであった。ロングタイツなので足湯は使わなかったが、暖かかったのでベンチで一眠りした。目が覚めると山崎さん・西田さんがおり、一緒にスタートした。ようやく目が覚め、砂利ヶ峠への上りも少し頑張れた。砂利ヶ峠から下り始めて少しずつ空が明るくなってきた。長い下りが終わってようやくダムの横に到着、ここから歩きが入った。5：08、クニさんと入れ違いで大坊ダムエイドに到着。イチゴが甘くて美味しかった。

　山崎さんとほぼ同時に大坊ダムエイドをスタートしたが、また眠くなってきて、新大坊交差点を過ぎで一緒に走るのを諦めた。途中で寝ようかと何度も思ったが我慢、油谷大橋を渡って自販機前で缶コーヒーを買った。その横を二升瓶の大将、尾形さんらが走り抜けていったので、直ぐに追いかけた。
　何とか追いつけたが、相変わらず調子は良くない。悪いならそれなりに走ろうと思い直し、徹底してラン&ウォークでつなぐことに決めた。これが功を奏し、徐々にペースが上がってきた。そしてほぼ7時、海湧食堂に到着した。お粥にチューブ入りのねり梅を載せて食べていたら先行されたはずの山崎さんが入ってきた。油谷中学で着替えていたようだ。一方、涼しいうちに稼ぐと言っていた西田さんは既に出発したようで、姿は見えなかった。約20分、休憩してスタートした。

　海湧食堂を出ると追い風になったが、アップダウンの連続で、追い風でも楽に走れるわけではない。農協分岐の三叉路付近には、いつものように荷物がたくさん置いてあった。その先の上り坂にとり正撮影隊がビデオを構えていたが、ママに会えなかったと言っていた。かなり先の方を走っているのだろう。俵島を折り返してきた知り合いともすれ違う。かなり差を付けられているが、不思議と焦りは感じなかった。大浦漁港西から油谷島北側のルートに入った。俵島までの3つのルートのうち、一番短いが一番アップダウンが厳しい。追い風の効果は全くなかった。天気がいいので景色も良く、すれ違う多くの仲間の写真もたくさん撮ったが、なぜかずーっと単独走だった。8：47、97.3kmを14h37mかけて、ようやく最初のCP1・俵島に着いた。

　チェックシートに最初のパンチを入れ、大事にしまって同じコースを戻った。来る時とは逆、向かい風になった。大浦漁港に戻って来たところで、弟の兄さんや竹上さんとすれ違った。一休みしてコーラを飲んでいたら俵島へ向かう高津会長がやって来た。北九州ウルトラRC・とり正組の最後尾？、調子悪いのだろうか。そこに折り返してきた長瀬さんも到着、油谷島では南側のルートを走ったそうで、その間に逆転したようだ。段々日差しも強くなってきたが、向かい風のおかげで気温は低く、助かった。俵島から約1時間半、10：12にCP2・川尻岬・沖田食堂に到着した。
　川尻岬には、スタッフとして参加のとみかずさんが到着したランナーのチェックなどをしていた。店に入ろうとしたところでジェイさんに会った。ジェイさんが食券をくれた。なぜ？、足の調子が悪いらしく、リタイヤして収容車に乗っていった。その食券でカレーをもらい、とみかずさんと分けた。天気が良かったので缶ビールも飲んだ。20分ほど休み、とみかずさんに完踏を誓って出発しようという時に、また一人のランナーがリタイヤを宣言した。胃をやられたようだ。胃薬を譲ってまだ時間はたっぷりあるからと説得したが、その後どうしただろうか。

　川尻岬をスタートして、Y子さんや山崎さんとすれ違った。畑峠への上り、ラン&ウォークを続ける。天気は快晴、風がないとちょっと暑い。藤の花を撮ったりしてのんびり走った。畑峠を左折、お宮の横を抜けると棚田が見えてくる。好きな場所の一つだ。川尻漁協までの長い下り、少し抑えて走る。海沿いの道、風が吹き付けかなり荒れていた。
　11：21、シーブリーズ着、クニさんと一緒になってホッとする。昨年はここでチェックシートを落とし車で持ってきてもらった。厳密にはこの時点で失格、これで気持ちが切れて最終的にリタイヤしたのだった。チェックポイントでもないが、何度もチェックシートを確認してスタートした。

　シーブリーズから立石観音まで、距離は4kmちょっとだが上り坂はかなりきつく、歩きが多くなった。途中でむいむいさんに追い付いた。調子が悪いのか、どこか不機嫌そうだった。40分ほどでCP3・立石観音に到着。この付近の海もかなり荒れており、防波堤に白波が砕けていた。軽トラの側で寝ているやまもとくんを見つけたが、起こすのもかわいそうなので写真だけ撮って立ち去ったが。。。

　前半の山場、千畳敷へと向かう。しばらくして立石観音で寝ていたやまもとくんからメールが入った。足が動かないので止めますとのこと、時間はあるのに。こっちは無理せずラン&ウォーク、特に龍宮の潮吹入口を過ぎてからは、殆ど歩いた。津黄峠を左折、一段と坂がきつくなってからは完全に歩き。前方にいたランナーのゼッケンを見てひょっとしたらと思って声をかけたら、やはり大村湾一周に参加した人だった。
　千畳敷までの道は工事も終わってきれいになっていた。しかし勾配は却ってきつくなった感じ。歩いていたら坂の頂上にとり正撮影隊を発見、きつい上り坂でばかりビデオを構えてと悪態を付きつつ上る。そうして13：40、千畳敷に到着。
　千畳敷には北九州ウルトラRCメンバーの原田君も応援に来てくれていた。ここでの楽しみはソフトクリーム、食べるにはこれ以上ないという天気だった。後から来たY子さんらもやはりソフトクリームを買っていた。

　ソフトクリームを食べ終わってほぼ同時にスタート。Y子さんと一緒にいた京都のランナーと話をしていたら、昨年、秋吉で転倒して顔面に大けがを負い、自分が処置した方の仲間と言うことがわかった。狭い世界だなぁ。長い下りを休まず走り、14：36、一足先に西坂本着。カップラーメンは塩分補給も兼ね、汁も飲み干した。ここのイチゴも甘くて美味しい。仮眠する予定だったが、眠気は感じなかったので外で食べた。スタートする時、中学生達が元気に送り出してくれるが、写真を撮るからと、2回も頑張れコールをお願いした。
　快晴五月晴れの空に鯉のぼり、風が強いので元気に泳いでいた。黄波戸峠を越えて海沿いに下りると、ここから仙崎まではほぼ平坦。去年はこの辺りで完全に気持ちが萎えてしまい、諦めてビールを飲んだのだった。一度はY子さん等に抜かれたが、徹底してラン&ウォークで粘り、長門の町中で抜き返した。
　16：53、仙崎に到着。エイドには鯨墓を折り返してきた松原さんと福地さんがいた。早い。

　青海大橋を渡り、青海島へ入る。アップダウンの繰り返しだが、ここまで続けてきたラン&ウォークのペースをキープするだけだ。鯨墓往復では、知り合いとのすれ違いも楽しみ。最初に会ったのは昨日の深夜、引っ張ってもらったタマゴンさんだった。仙崎湾が見えてくると遙か彼方に鯨墓が見える。遠い。静ヶ浦キャンプ場を過ぎて、折り返してきたカメリアさんの姿が見えた。足を痛めたようで朝会った時の元気がない。ロキソニンとガスターを3回分譲った。その先でようやく西田さんに追い付き、一緒に走って18：26、CP5・鯨墓に到着した。一眼レフで写真を撮っていた男性がシャッターを押してくれたが、どうやらその方がうめ吉さんだったようだ。

　鯨墓からの折返し、かなり足が痛くなってきた。ペースが上がらず、40分かけて、静ヶ浦キャンプ場に到着した。残念なことに今年もカレーは売り切れ、しかたなくうどんを食べた。
　しばらくして長瀬さん・森田君が到着。足が痛いようで、かなり弱気になっており、鯨墓までは行くとか、仙崎までとか、宗頭までは行きたかったとか、どこでリタイヤするかという話に終始していた。そんな二人を置いて出発した。
　リベンジ組同士、西田さんと一緒に走った。もちろんラン&ウォークを徹底した。仙崎には21時前に到着。昨年はここでリタイヤした。その時と今日と到着時間は大して変わらない。何で止めたのだろう。
　3月の萩往還練習会ではこの仙崎を夕方スタートして、瑠璃光寺までの90km弱を15-16時間で走っている。残りに20時間、22時までに仙崎をスタートすれば何とかなるだろうと思っていた。昨年は仙崎に着くまでにすでに気力がなくなって止めた。その点、今回はまだ余裕があった。西田さんと宗頭までの先導を引き受け、直ぐにスタート、何となく完踏できそうな気がしてきた。

　練習会のおかげで、後半の分かり難いところは頭に入っていたつもりだった。しかし真っ暗で、練習会の時とは勝手が違う。先導もしているので急に不安になってきた。何とか迷うことなく、無事に工場街を抜け、小浜踏切に出た。ここから旧道を一直線、R191にぶつかって宗頭まで道なりだが、長門三隅駅前や踏切の位置の記憶があやふやで、またまた不安になった。22時過ぎ、R191に出て、ようやく一安心。とり正のママとの待ち合わせには十分間に合うだろうと、宗頭までは西田さんと一緒に歩き通した。そして、ほぼ23時、宗頭文化センターに着いた。

　中に入ると、スタッフの方が荷物を持ってきてくれた。上がるととり正のママがいた。顔色が悪く元気がない。声をかけると、ここで止めるという返事。歩いても間に合うからと説得したが、ダメだった。転倒して胸をぶつけた影響だろうか、残念。味噌汁とおにぎりをいただき、味噌汁をお代わりして、2Fに上がった。西田さんとは0時にスタートしようと約束し、ウェアを脱ぎ、下着を着替えて寝た。10分か15分くらいは寝たようだ。1Fに下りて出発準備。ちょうどそこに山崎さんが到着、寒い、寒いを連発するので、上下ともにウィンドブレーカーを着た。そして日付変わって4日の0：20、瑠璃光寺に向けてスタートした。