第20回 山口100萩往還マラニック 250km
ランナー編---屈辱の最短KO  2008年5月2日〜4日
 萩往還マラニックには平成16年から参加、過去250kmで2勝1敗である。今年も懲りずに250kmでエントリーした。
 平成元年に始まったこの大会は区切りの20回目、小野大会会長が今回限りでの引退を表明された。自身24回目のウルトラだが、ウルトラ20回目の完走もかかっており、是非とも完踏したいところだが。
 何が何でも完踏するという貪欲さ、根性、執念が無くなっているように感じる。以前は萩往還を中心に1年が回るというか、特に年が明けてから4月にかけて、しっかり走り込んでいたように思う。しかしこの1年、うつ気味とでも言うか、走ろうという意欲がわいてこないのである。
 3月の恒例の練習会では、土砂降りの中、みんなに置いて行かれたが、何とか90km走り切った。しかしこれ以外、十分な走り込みはしておらず、最初から完踏は無理、行けるところまででいいという中途半端な気持ちで大会に臨んだのだった

瑠璃光寺五重塔
大会前編:屈辱の最短KO編Index
大会後編

練習会編

■ 萩往還マラニックに向けての準備
 出発前日、何も支度をせずに寝た。前日にしては久しぶりによく寝た方だろう。起きて早速荷物を用意する。天気予報を見ると雨の心配はなさそうで、カッパは念のため宗頭行きの荷物に入れることにしたが使わずに済みそうだ。気温は下関で15〜25℃となっているが、晴れれば夜中の山中は冷え込む。ウェアは長袖・ロングタイツにウィンドブレーカーも用意した。ライトはヘッドランプと手持ちと2個、予備の電池2セットなど。胃薬と鎮痛剤などの飲み薬に痛み止めのローションも用意した。靴はGEL KAYANOでスタートし、後半はLA SPORTIVA Rajasの予定。
 忘れてならないのが、瑠璃光寺五重塔の本尊・阿弥陀如来座像の写真、お守り代わりです。グッズの準備は万全、しかし、、、

 練習量は激減。やる気のなさが練習量にはっきり現れている。昨年、川に転落した萩往還練習会以降、あれこれアクシデント続きで精神的に落ち込み、走ろうという気力が沸いてこない。1月から4月では例年の3分の2、年間でも半分にとどまっている。距離だけでなく練習日数も半減している。2月に天拝湖8時間で50km、林道to林道マラニックで47.5km、3月は酒蔵巡りマラニックや萩往還練習会で少しは長い距離を走った。
 しかし4月に入って再び長い距離を走らなくなった。ナイトランも不参加。焦って直前の4/30に峠越えの33km。しかしこんな練習は何の意味も持たない。ただ疲労をため込み脚の関節を痛めただけだった。
2004年 2005年 2006年 2007年 2008年
1月〜4月 1281.9km 1369.0km 1351.3km 662.5km 950.8km
前年5月〜4月 3342.2km 3573.0km 2893.7km 2327.4km 1511.6km
結 果 完踏 DNF 完踏 DNS DNF

■ 平成20年5月2日 瑠璃光寺スタート前

今年で見納め?
 大会に余裕を持って参加しようというわけではないが、珍しく5月2日を休診にした。のんびり支度をして、北九州ウルトラRCメンバーを迎えに行って山口へと向かう。小郡ICを下りて国道9号線を走っていたら、ネズミ取り。幸い捕まらなかったが、ネズミ取りに引っかかって大会でもリタイヤなんかしたら踏んだり蹴ったりだ。
 14時過ぎ、山口に到着。瑠璃光寺にお参り、お賽銭はもちろん250円。受け付けを済ませて、教育会館へ向かう。15時から説明会。20回目の今回で小野会長さんは勇退される。説明会での挨拶でそのことも触れられるのかと思ったが、多くを語られず、説教じみた話もなく、あまりにあっけなく終わった。説明会の後、UMMLerメンバーと集合写真を撮る。スーパーで食料調達して車に戻る。腹ごしらえして支度をして、17時過ぎ、瑠璃光寺へと向かった。
 いつものように宗頭行きの荷物だけを預けた。いつものメンバーといつものように五重塔をバックに記念撮影。スタート前の緊張感もなく、時間が刻一刻と過ぎていく。17時半頃には多くのランナーがスタート地点に集まった。慌てて並んだが、第3ウェーブか第4ウェーブか。スタート合図は小野会長のエイエイオー。これまた今年で見納めとなるのだろうか。計測用チップが導入されたので、以前のように18時から5分ごとにきっちりとはいかず、ばらばら。18時16分、瑠璃光寺をスタートした。
A250km説明会〜スタート前

瑠璃光寺で完踏祈願

A250km説明会の小野会長
UMMLメンバーと記念撮影

■ 平成20年5月2日 瑠璃光寺〜西寺:調子に乗って飛ばす
 スタートしてしばらくは集団走。いつものことだが、スタート直後は気分が高揚しているのか、なかなか抑えられない。UMMLerやmixiなどで知り合った仲間も多く、つい釣られて走ってしまう。おそらく1km6分くらいのペースだっただろう。練習不足なので抑えなければならないが、いつものことだからと、そのまま上郷まで走り切る。上郷まで1時間23分、例年とあまり変わらない。
 上郷を出てヘッドランプを点け、少しペースを落とす。自転車道に入る頃には真っ暗となる。黙々と一人で走ってはいるが、周囲には点滅する多くの赤いライトが見え、焦りは感じない。1km7分半くらいのペースで走り、湯ノ口交差点エイドには20時半過ぎに到着、ちょうど腹も減ってきていたのでおにぎりを3個頬張る。田んぼの中の自転車道を走り、下郷へ。今年はカエルが少ないような感じ。少しきつくなってきたが、21時半頃、下郷駐輪場着。水をもらいストレッチ。秋吉へ向かう。少し眠くなってきた。だいたい眠くなるとペースが落ちるというパターン。困った。誰か知り合いがいればいいのだが、誰もいない。
 秋吉のエイドを出て、宮城UMCのDさんを見つけた。面識はないが、昨年写真を送った記憶があり声をかけた。それからしばらく併走させてもらった。明らかにそれまでよりペースが上がった。自重すればよかったが、眠くなるよりはましと必死について行った。何となく膝に違和感を感じ始めたが、そのまま西寺まで走った。エイドに着いて温かいコーヒーをもらう。今の自分にはオーバーペースだったようだ。Dさんとはここで別れ、しばらくゆっくり休むことにした。
山口〜西寺

夕陽と椹野川を渡るランナー

夕暮れの自転車道を走る

湯ノ口交差点エイド

西寺エイドでパワーをもらうはずだったが、

■ 平成20年5月3日 西寺〜大坊ダム:なんと砂利ヶ峠手前で夜が明けた
 30分近く休んでスタートする。しかし脚が動かない。飛ばし過ぎのダメージは予想以上に大きかったようだ。走れない、のろのろ歩く、眠くなるの悪循環。後続のランナーにどんどん抜かれた。上田代三叉路でK田さんに抜かれた。きっちり時間を計算して走るK田さんに序盤で抜かれたことは、精神的なダメージにもなった。豊田湖畔はのろのろ歩き、AM2時過ぎ、豊田湖畔キャンプ場のエイドに着いた。西寺からの13kmに2時間半もかかっていた。
 戦意喪失。元気にビールを飲むなごやんさん等のグループが羨ましかった。何とか立ち上がってスタートする。豊田湖エイドを出てしばらく、広島のKさんと併走。昨年リタイヤしているので今年はなんとしても完踏するという強い意志が感じられる。それに対して自分は弱気になり、完全に諦めている。この気力の差は直ぐに現れた。膝が痛くなり、木屋川沿いで彼女を追うのを止めた。完全に諦めムードでだらだら歩くことが多くなった。AM4時過ぎ、何とか俵山温泉に着いた。北九州ウルトラRCの大先輩、Nさん・Yさんと一緒になる。俵山温泉を出て道を間違え、なごやんさん等とうろうろする。そして徐々に夜が明けてきた。砂利ヶ峠手前で夜が明けた。どこで止めるかを考え始めた。
豊田湖〜俵山温泉

豊田湖畔エイド

俵山温泉エイド

赤滝湖
 なごやんさん等には先に行ってもらい、峠道をだらだら歩いて上った。いつもは真っ暗闇の峠道、ここで夜が明けるとは思っても見なかった。その分、景色は楽しめたが。AM5:45に砂利ヶ峠を越える。下りは少し走ったが、やはり膝が痛んだ。AM6時半、赤滝湖に着いた時は、右の写真の通り。7時前、大坊ダムエイドに着いた時は、既に撤収作業が始まっていた。これ以上、迷惑はかけられない。そして収容車が来た。迷わず乗り込んだ。

通算距離 所要時間
 瑠璃光寺〜上郷 13.4m 1:22
 上郷〜下郷駐輪場 27.6km 3:14
 下郷〜西寺 43.9km 5:18
 西寺〜豊田湖 57.4km 8:17
 豊田湖〜俵山温泉 66.0km 10:13
 俵山温泉〜砂利ヶ峠 69.6km 11:29
 砂利ヶ峠〜大坊ダム 75.8km 12:38
 大坊ダムでリタイヤした時点で、後方には数人のランナーしか残っていなかった。しかし、豊田湖から俵山温泉で一緒になった知り合いは、3人が完踏していた。250kmの3割ほどしか走っていない、CP1も通過していない。諦めるにしても早過ぎないか。最初の関門・川尻岬まで時間がある限り走るべきではなかったか。
 しかしモチベーションが保てなかった。スタート前から完踏は無理だろうと決めてかかったり。いったい何のために参加したのか。正直言ってリタイヤの悔しさはあまりなく、さっさと止めて大会を手伝おうと、サバサバした気持ちだった。
 これで萩往還250kmは2勝2敗。次は完踏して勝ち越そうとは思うが、このままではまた痛い目に遭うだろう。
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