信州撮影行 2010
春の嵐のち快晴
H21年9月の信州撮影行では、生憎の天気で、山の写真が撮れなかった。
あれから半年、再び信州を計画、今度こそ山の写真をと思って、デジタル一眼・レンズ、全て一新した。レンタカーも手配してもらい、気ままに撮り歩くつもりだった。
しかし、春の嵐。台風並みに急速に発達した低気圧と前線で大荒れ。20日の北九州出発時から一部在来線は運転見合わせ、新幹線も徐行運転。そして21日、暴風雨後吹雪、黄砂、山は全く見えなくなった。撮影を諦め宿に戻りふて寝、このまま九州に帰ろうかと思ったが、気を取り直して木曽福島へ。しかしこちらも吹雪、急遽行き先を伊那に変更。
権兵衛トンネルを抜け、伊那に入ると、目の前に南アルプスが見えてきた。山の頂には雲がかかっていたが、雲が切れたところに白く輝く頂が見えた。急いで車を止め、シャッターを押した。撮影を終え帰る途中でまた吹雪。何とか山の写真も撮れ、その夜はワインを飲みに行った。
22日は朝から雲一つ無い快晴。再び白馬村へと向かった。
信州2010 INDEX
3/21 安曇野〜白馬村
3/21 南アルプスの山−伊那市
3/21 かんてんぱぱガーデン
3/22 安曇野〜松川村〜大町市
3/22 北アルプスの山−白馬大橋
3/22 JR大糸線
3/22 北アルプスの山−白馬村
3/22 池田町

風景&山の写真集一覧風景&山の写真集一覧
撮影機材
Canon EOS 7D
 EF70-200mm F4L IS USM
 EF-S15-85mm F3.5-5.6 IS USM
 EF-S10-22mm F3.5-4.5 USM
クリックで大きなサイズの写真1500×210pixel
五竜岳〜唐松岳〜鑓ヶ岳〜杓子岳〜白馬岳(白馬村北城にて、クリックで大きなサイズの写真1500×210pixel)

3月21日 安曇野〜白馬村〜伊那市 3/21撮影分のスライドショー
白馬村
3月20日、朝からかなり風が強く、JR運転見合わせの防災情報メールが頻繁に入ってきた。仕事を終え、早めに小倉駅へ。新幹線も徐行運転で若干遅れていたが、名古屋には定時着、特急「しなの21号」に乗り替え、19:45に松本着。迎えに来てくれた友人と近くの焼鳥屋へ行き、撮影ポイントのアドバイスを受け、最初の目的地を白馬村にした。ところが、、、
21日、雷の音で目が覚めた。かなり風が強い。宿の上空には黒雲、もちろん山は見えない。取り敢えず白馬村へと向かったが、天気はどんどん悪化。暴風雨、しかも黄砂混じりの茶色い雨、風で折れた小枝が散乱している。何とか白馬大橋にたどり着いたが、山は見えない。雪は黄砂で茶色く汚れ、川の水も濁っていた。車の外に出てみたが、黄砂混じりの雨で、レンズが直ぐに汚れた。撮影にならない。
この日、JR大糸線で、先日引退したばかりの旧型気動車による臨時列車が運転されることになっていた。山を諦め、小谷村へと向かう。しかしその途中、強風で臨時列車も運休になったと知る。撮り鉄も断念、姫川源流に福寿草を見に行こうかと思ったが、今度は吹雪。
宿へ引き返すしかなかった。

AM6時半、上空の黒雲

AM8時過ぎ、白馬大橋にて
南アルプスの山−伊那市にて
宿に戻ってしばらく寝た。写真が撮れないのなら、九州に帰ろうかとさえ思ったが、オーナーT氏が案内してくれるというので、気を取り直して木曽路へと向かった。前回も雨だったので、奈良井宿へ行ったが、宿場町はこんな天気の方が風情があっていい。しかしこちらも大荒れ、雪混じりの強風に車が煽られる。T氏のアドバイスで、急遽、行き先を伊那に変更。権兵衛トンネルを抜け、伊那市に入ると、少し天候が回復。南アルプスの山々にはだいぶ雲がかかっているが、一箇所だけ雲が切れており、白く輝く山の頂が見えた。甲斐駒ヶ岳だった。このチャンスを逃すまいと、急いで車を止め、シャッターを押した。

伊那市西春近にて

甲斐駒ヶ岳
かんてんぱぱガーデン
こんな天気でも花の写真なら撮れるだろうと、「かんてんぱぱガーデン」にやって来た。ここは寒天製造会社の工場周辺の緑地で、ギャラリーやレストラン・喫茶店の他、山野草園がある。

ワサビ

フクジュソウ

ハルトラノオ

ユキワリソウ

カタクリ

ミズバショウ
南アルプスの山−帰り道で
「かんてんぱぱガーデン」で寒天のデザートを食べたり、だいぶのんびりした。17時前、安曇野へ戻る。伊那から眺める南アルプスの山々には相変わらず真っ黒な雲がかかっている。来る時よりも雲は多かったが、甲斐駒ヶ岳の所だけは雲が切れ、スポットライトを浴びたかのようにそこだけが白く輝いていた。写真を撮っていたら雪が降り出し、そして吹雪になった。明日も同じような天気なのだろうか。不安になったが、それでも山の写真が撮れたことで少し満足。安曇野に戻り、イタリアンの店、「ラ・フェリチタァ」へ行き、ワインを1本空けた。

白く輝く甲斐駒ヶ岳

甲斐駒ヶ岳、この後吹雪に
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3月22日 安曇野〜白馬村〜池田町 3/22撮影分のスライドショー山の写真編
安曇野〜松川村〜大町市
5時に目が覚めた。晴れている。急いで荷物をまとめ、外に出た。西の空も少し明るくなり、雪を抱いた山が見えてきた。三脚にカメラをセットして撮影、、、手が冷たい。それもそのはず氷点下。
山の頂に朝日が当たるところを撮ろうと、直ぐに出発しようとしたが、車のフロントガラスは霜で真っ白。結局、出発が30分遅れた。国道147号を北上、白馬村へと向かったが、どんどん明るくなってきて、標高2268mの有明山にも朝日が当たり始めた。安曇野市の外れや松川村で、まず有明山とその周辺の山々を撮る。そして大町市に入ったところで、正面に爺ヶ岳と鹿島槍ヶ岳が見えてきた。朝日が当たってピンク色に染まり、そして白く輝く。あまりの美しさに、寒さも忘れて夢中でシャッターを切った。

西の空が明るくなってきた

有明山に朝日が当たり始める

爺ヶ岳と鹿島槍ヶ岳

爺ヶ岳〜鹿島槍ヶ岳〜五竜岳
北アルプスの山−白馬村・白馬大橋
残念ながら、夜明けの白馬大橋には間に合わなかったが、素晴らしい景色が見られそうで、わくわくしてきた。白馬村へ急ごう。ところが、、、
気温は-3℃、大町市街を抜け、青木湖付近から道路に積雪。除雪車が出ていたが、雪をどけてもその下は凍結してツルツル。実はレンタカーはノーマルタイヤだった。峠道で止まろうものなら、再発進は困難、いや滑り落ちるだろう。引き返すべきか。
しかし雪化粧した北アルプスの山々を撮りたいという気持ちが勝った。後から煽られようが、慎重にゆっくり車を走らせた。ようやくのことで白馬村へ。国道148号・森上交差点を左折、もちろん凍結していたが、車が少なかったのが幸い、一気に坂を上り、何とか白馬大橋にたどり着いた。
たった一日で別世界。松川の河原は真っ白な雪に覆われ、そしてその先に、真っ白に雪化粧した白馬三山が見えた。橋の上から撮り、新雪の中に踏み入れて撮り、河原に下りて撮り、2時間で約100枚。飽きることはなかった。

白馬三山、白馬大橋からの眺め

白馬鑓ヶ岳と杓子岳

白馬岳

松川と五竜岳

林の中から

松川と白馬三山
JR大糸線
3/22撮影分のスライドショー大糸線撮り鉄編
白馬大橋での撮影を終えて9時、幸い道路の雪も溶けてきた。こうなったら昨日運休になった旧型気動車「キハ52ありがとう号」も撮ろうと、小谷村へと向かった。そして雪景色の中を走るキハ52の撮影を終え、再び白馬村へ戻った。途中、青鬼集落へ行こうと国道から左に入ったが、その先で道を間違えた。ところが目の前が開けたと思ったら、そこには八方尾根の大パノラマ。慌てて車を止めて、写真を撮る。そこに、車が数台止まり、数人のカメラマンが下りてきた。よく見ると架線と線路。どうやら八方尾根をバックにした大糸線の有名ポイントのようだった。近くにいた人に声をかけると、あと20分くらいで来ますよと言う。何が来るのかわからないまま、取り敢えず待つ。そしてやって来たのが、特急「あずさ3号」だった。

キハ52ありがとう号(小滝〜平岩)

キハ52ありがとう号(中土〜南小谷)

唐松岳〜白馬鑓ヶ岳・杓子岳

遠見岳〜五竜岳〜唐松岳〜白馬三山

五竜岳の雪形・武田菱

あずさ3号(信濃森上〜白馬大池)
北アルプスの山−白馬村北城・松川
昼には安曇野に戻って、蕎麦を食べに行く約束をしていたが、あまりに天気が良かったのでもう一箇所寄り道。場所は国道148号・松川橋から、朝撮影した白馬大橋とは反対、松川を下流に少し下ったところである。広い河川敷からの大パノラマ、橋の上で絵を描いている人もいた。ところが河川敷には河川改修工事の重機が。絵なら邪魔な物は描かずに済むが、写真だとそうはいかない。
邪魔な重機を避けるように少し上流側に移動して撮った。雄大な景色、五竜岳の武田菱もはっきり見えた。短時間だったが、ここでも50枚ほど撮った。12時に撮影を終え、安曇野へ。

五竜岳〜唐松岳〜白馬三山の大パノラマ

遠見岳と五竜岳

五竜岳と唐松岳

五竜岳の雪形・武田菱

唐松岳

白馬鑓ヶ岳と杓子岳
安曇野市〜池田町
安曇野に戻り、民宿クローエの直ぐ近く、爺ヶ岳から白馬岳まできれいに見渡せたのでまた車を止めた。民宿に戻り、友人と池田町の「翁」へ蕎麦を食べに行った。朝、白馬村へ行く時、何も考えず最短距離で国道147号を大町市へと向かったが、池田町の県道51号を通れば眺めが良かったということを友人に言われて思い出した。国道より東側にありしかも標高が少し高いのである。蕎麦を食べてから高台へ。常念岳などがきれいに見えるのだが、さすがに15時を過ぎて逆光となり、霞んでいた。
これにて今回の撮影は終了、穂高駅から松本へ、「しなの22号」で名古屋へ、博多行き最終の「のぞみ63号」で九州に帰った。初日、悪天候でどうなることかと思ったが、二日目は快晴、撮影枚数は初日の4倍、320枚に達した。

爺ヶ岳〜鹿島槍ヶ岳〜五竜岳(安曇野市)

常念岳(池田町)

梅の花(池田町)
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