2007玄海100kmウルトラマラソン
2007年9月16日---予想通り?のDNF
低くたれ込めた雨雲が、
夕日で真っ赤に染まる
(津屋崎海岸)
玄海100kmUMの案内や写真・記録集は、みのむしの東西南北駆けある記
 地元で開催される玄海100kmUMには遠方から知人がやってくることもあり、毎年参加している。2003年に初参加で完走、2004年にも完走できたが、2005年は鼻血が出てリタイヤ。リベンジするはずだった昨年は台風直撃で中止、今年に持ち越しとなった。

 しかし今年はギリギリまで参加を迷っていた。練習していない。この図のように、過去4年間、5月から8月までの練習量は、月間200-450km、平均で270km。それが今年は、5月の月間ゼロを始め、月間100kmにも及ばず、平均43.8km。こんな状態で完走できる程、甘くないことはよくわかっていた。
 萩往還と同じようにスタッフに回ろうかとも思ったが、8月31日に申し込んだ。いくつものアップダウンがある玄海のコースだが、厳しいアップダウンを越えてくると目の前に玄界灘が広がる、とにかく景色が良い。参加費も安い。どこかエントリーしないと走ろうという意欲が湧いてこないという困った状況でもあった。行けるところまででいい、でもせっかく参加するなら少しでも長く走れるようにと、アーリースタートの3時で申し込んだ。
 エントリーしたことで、9月に入り少し走る気になった。久し振りに30km超のマラニックも2回。しかしいきなり走ったものだからマメができてしまい、本番でもそれに苦しめられることになった。

■ 平成19年9月15日 またまた台風接近
 2年連続で台風直撃はないだろうと思っていたが、台風11号が東シナ海を北上中、そのため南から湿った風が入り込んで、かなり蒸し暑くなった。幸い直撃は無さそうで、当日の降水確率も20-30%と、やや低くなっていた。前日に受付を済ませておこうと、夕方、津屋崎に向かった。西の空には真っ黒な雲。時々稲妻も光る。宗像に入ると大粒の雨、福間に着くと激しい雷雨で前が見えなくなった。津屋崎に着いた頃には少し小降りになったが、一段と蒸し暑くなった感じ。受付を済ませ仕事を片付けて帰宅したのは23時、缶ビールを飲んで寝た。
大会前日
雨は小降りになったが、
時折稲妻がひかる
(津屋崎民宿街)
■ 平成19年9月16日 玄海100kmウルトラマラソン
3時スタート組
 AM1時半に出発、40分ほどで宮地浜に到着した。気温27℃、依然としてかなり湿度が高い。あとで調べたが、この時の湿度は90%。涼しいうちに距離を稼ぎたかったが、この蒸し暑さでは無理をしない方が良さそうだ。そう思っていたのに、主催の山下さんから旧コースに合流する内殿から見坂峠あたりまでを先導して欲しいと頼まれた。去年からスタート地点が変わっていたが、新コースの開催は実質今年が初めて。まずいことになった。
 玄海100kmの正規組はAM5時スタートで制限時間13時間30分だが、最近はAM3時のアーリースタートも人気がある。今回はほぼ半数の約50人が3時組、写真撮影も4回に分けるなどかなり混乱していた。
 この3時組、時間に余裕はあるが、序盤は真っ暗で景色が楽しめず、脇田温泉のエイドもまだ開いていない可能性がある。それでも初めて3時組にしたのは、練習不足だったから。5時スタートだと、50km・トヨタ九州あたりで関門に引っ掛かっただろう。
AM3時組スタート前のスナップ

AM2時過ぎ、宮地浜の受付

北九州ウルトラRCの3時スタート組
4回に分けて集合写真を撮影

「楽し苦、気持ちよ苦、走、、、」
蒸し暑かった序盤
宮地嶽神社→9.1km 見坂峠→18.7km 脇田温泉→25.3km 間夫峠
見坂峠 9.1km 1:10
脇田温泉 18.7km 2:19
間夫峠  25.3km  3:27
 AM3時、「楽し苦、気持ちよ苦、走」と書かれた銅鑼が鳴らされ、大会がスタート。しかし目の前の信号が点滅し始め、急いで渡り、そのまま先頭に立っち先導することになった。しかし曲がり角には誘導係がいて、無理して先導することもなかった。その先頭グループは釘島さん・山元君等実力者ばかり。このまま一緒に走れば早々に潰れるだろう。蒸し暑くてきつくなったので、内殿の交差点で立ち止まり、後続ランナーを誘導する振りをして一休み。ここから本木を経て見坂峠まで、長い上りが続く。途中に怖い犬のいる家があり、自然にペースが上がるところ。幸い犬は出てこなかったが、休まず走り続け、1:10で見坂峠へ。ここまではまずまずだった。峠を少し下ったところに自販機が、、、無くなっていた。これはまずいと思ったら、坂を下って猫塚公園に小島・城戸さんの移動エイドが出ていた。助かった。
 猫塚公園から脇田温泉にかけては、何となくいやらしいアップダウンの連続。5時組だと雲海が見られる時もあるが、今日はまだ真っ暗。徐々にペースが落ち、歩きが混じるようになる。一昨年、鼻血の出た自販機前は何事もなく通過。黒丸付近で東の空にボヤーッと輝く星が見えた。あの星の名前は?と声をかけてきたのが酒蔵巡りマラニックの佐藤先生。いろいろ話しかけてくる佐藤先生にペースを合わせたら、かなり消耗してしまった。
 スタートして2:20で脇田温泉に着いた。まだ薄暗く、予想通りエイドは出ていなかった。この先、間夫峠を越えて約10km、林道に入れば自販機もない。500mlのお茶とコーラを買い、コーラを飲みながらしばらく歩いた。温泉街を抜けてから走った。徐々に上り勾配がきつくなってくる。間夫峠への林道に入ってからまた歩き。途中で湧き水を浴び、そこからは少し走ってはダラダラ歩きを繰り返す。間夫峠下に移動エイドがあり、果物をもらう。間夫峠トップは3:27で通過、例年より30分くらい遅れていた。
レース中のスナップ−1:猫塚〜間夫峠

AM4時、猫塚エイドで小島さんと城戸さん

急坂の続く間夫峠を歩いて上る
下りでも足が動かず
間夫峠→35.9km 力丸ダム→42.2km 脇野橋
若宮南小 30.0km 4:08
力丸ダム 35.9km 4:48
脇野橋  42.2km  5:52
 間夫峠からは長く快適な下りが続く。しかし今日は全く足が動かない。スピードが落ちると眠くなる。左右に蛇行していたら、その横を香椎のじじいこと大神さんがスーッと走り抜けていく。長い下りが終わって、三が畑を左折して自販機で給水。30km手前、チーム100の幟を見つけた。30km・若宮南小前に、西山君等のチーム100エイドがあり、果物を食べ、ペットボトルに水をもらった。
 相変わらずペースは上がらず、北九州ウルトラRC女性陣に先行を許す。7時半、携帯に福岡県の防災メールまもるくんが入った。紫外線はそれ程強くないものの、熱中症には厳重警戒となっていた。力丸ダム沿いを走り、35.9km・宮田と若宮への分岐点には、中馬さんや行広さん等のランザローテ・エイドがあった。ここから旧力丸スケート前まで上ると後はまた長い下り。足は動かず、時々立ち止まってしまう。情けない。何とか千石峡キャンプ場に到着し、トイレで水をかぶる。キャンプ場を抜け40km過ぎ、前川・富田さんのエイド。缶ビールをもらったが1本飲めず、小田さんと分けた。
 犬鳴川を渡ると脇野橋を経てトヨタ九州にかけて、平坦だが日差しを遮るところがない辛い区間。それまで薄曇りだったのが、ここにきて雲が切れ、最悪のタイミングでカンカン照りになってしまった。幸い少し湿度が下がった感じ(事実、湿度70%くらいに下がっていた)。それでも歩きを交えて進む。42.2km・脇野橋のコンビニには5:52で到着、例年より1時間遅れ。自分だけでなく、みんな蒸し暑さにやられてバテバテ。水をかぶったり、ビールを飲んだりするランナーも目立つ。少し前のエイドでビールをもらったばかりなので、ここでは自重、アイスクリームを買い、歩きながら食べた。
レース中のスナップ−2:力丸ダム

幟の向こうに30km・若宮南小前のチーム100エイド

力丸ダムの分岐点・ランザローテエイド
猛暑の中盤
脇野橋→宮田→50.8km トヨタ九州〜60km 赤間
トヨタ九州  50.8km  7:08
田久桜公園 59.1km 9:04
 スタートして6時間、そろそろ5時組のランナーが来る頃だろうか、立ち止まって振り向いた。一人のランナーが近付いてきた。何となく見覚えがある。デジカメを構える。光安さんだった。玄海に出れば負け無し、猛暑にもかかわらずさすがにいい走りをしている。光安さんに抜かれた後、しばらく5時組のランナーは来ず、5時組2位のランナーに抜かれたのは2kmほど走った倉久川沿いだった。光安さんに抜かれた後は、大庭さん、峯さん、小田さん等と前後しながらノロノロと進んだ。
 この猛暑にもかかわらず、一昨年より移動エイドは少なくなった感じ。コース中、一番暑くて辛いこの区間に、全くエイドがないのは辛かった。自販機を見つけては給水、と言うことを繰り返し、倉久でほんのちょっとのショートカット、上り坂を歩いて、7:08で50.8km・トヨタ九州横のエイドに到着した。中間点であり、ソーメンなどの軽食類が用意されているが、その前に頭から水をかぶりブルーシートの上にゴロリと横になった。しばらくして起き上がり、素麺や果物を食べた。食べながら後半のことを考える。残り50km、8時間なら時間内ゴールだが、それは無理だろう。夕陽館の風呂に入るためには、9時間がリミット。しかし練習不足に加えてこの蒸し暑さ、これも難しそうだ。昨日のような土砂降りはゴメンだが少し降って欲しい、と思って空を見上げたが、雲は遙か遠くに見えるだけ。猛暑からは逃れられそうにない。取り敢えず時間のある限り行けるところまで行こうと、10時半にスタートした。
 50kmのエイドを出て赤木峠へ。ダラダラ長い上りが続き、半分以上歩いた。峠に車が止まっておりエイドかと思ったら、個人のサポートだった。赤木峠から赤間へ今度は長い下りが続くが、足が動かなくなった。下りなのに何度も立ち止まった。そこにタイミング良く江口車が来たので、氷をもらう。江口情報に拠れば、5時組でも早々にリタイヤした人が多いらしい。少し下ったところに岩田屋エイドがあり、コーラなどをもらう。少し走れるようになった。3号線を渡り、赤間上町のコンビニでかき氷を買い、歩きながら食べた。釣川沿いの遊歩道で少し走り、9:04で59km・田久桜公園エイドに着いた。水を浴びて靴が濡れ、そのため両足にマメができてかなり痛んだ。完走は考えていなかったので、しばらく公園のベンチで横になった。風が気持ちよかった。
レース中のスナップ−3:脇野橋〜トヨタ九州〜赤木峠

暑い時は冷たいビールに限る(42km・脇野橋)

43km、今年も優勝の光安さんに追い付かれた

50km・トヨタ九州横エイドで腹ごしらえ

頭から水をかぶる
赤木峠からの下りでも足が動かなくなった
岩田屋エイドで一息吐く
晴のち曇のち、、、雷雨
赤間→65.8km 地蔵峠→70km 吉木小学校→波津
地蔵峠 65.8km 10:31
吉木小学校  69.5km  11:10
 田久桜公園エイドを出て釣川沿いはまじめに走ったが、跨線橋の所からまた歩いた。あまりに暑くて、大谷通り北のコンビニでまたかき氷を買った。地蔵峠下、65km・蛍の館公園エイドまで約1時間、1km10分までペースダウン。疲れて地べたに座り込んだ。そこにとり正夫婦が応援に来て一緒に写真を撮ったが、後で写真を見ると顔は完全に死んでいた。半分以上歩いて、10:30で地蔵峠を通過、少し雨が降りだした。峠からの下り、やはり足が動かず、マメも痛みだした。
 その地蔵峠を越えた頃から雷が鳴り出した。気は焦るが足は動かない。高倉神社から汐入川沿い、殆ど歩いた。県道を渡った所の吉木小学校横にランザローテ・エイドがあった。一昨年は鼻血に悩まされ、ここで収容車に乗った。今日のペースで残り30kmを4時間ちょっとというのは極めて厳しい。この先しばらく自販機もないしと迷っていたら、急に大粒の雨が降りだした。慌てて立ち上がり、走り出した。土砂降り、雷も激しくなってきた。隠れるところのない自転車道、雷の恐怖から一気にスピードアップ。土砂降りの中を走る峯さん等の写真を撮ろうと立ち止まって振り返り、シャッターを押した次の瞬間、後方に落雷。それからは必死に走った。県下一の悪路、水たまりに足を突っ込みながら走る。やっとのことで海岸に出た。少し雨足は弱まったが、時々稲妻が走る。海岸沿いの自転車道を走り終えた波津海岸にエイドがあった。吉木からの6.5km、1km6分ちょっとで走りきった。もちろん隠れる場所のない海岸沿いのエイドも、我々異常の恐怖感があっただろう。
レース中のスナップ−4:地蔵峠〜波津
応援に来てくれたとり正のマスター&ママさん

 地蔵峠下のエイド

岡垣の自転車道で雨に打たれる

県下一の悪道もこの通り

波津海岸、時折雷が落ちる

雷雨の中の恐怖のエイド
股擦れの痛みと風呂の誘惑に負ける
波津→78.3km 成田山→86.1km 鐘崎
成田山 78.3km 12:54
鐘崎漁港 86.1km 14:22
 波津まで必死に走ったが、ウェアも靴もびしょ濡れ、おかげでマメも股擦れもひどくなってきた。ビールをもらってしばらく休んだ。この先、完走狙いなら成田山をワープして鐘崎へ向かう手もあったが、成田山の太宰府走ろう会エイドに手作りのトコロテンがあると聞いていたので、コース通り成田山へ向かった。当然の事ながら、成田山の上りは歩いた。残っていた最後のトコロテンをいただき、よろよろと立ち上がって歩き出した。マメが痛い。長い下りも休み休み下った。ようやく海岸沿いの道まで下りてきた時、再び激しく雨が降りだした。私設エイドがあったので、しばらく休ませてもらった。雨の中、少しまじめに走り、ようやくのことで86.1km・鐘崎漁港のエイドに着いた。ここまでの所要時間14時間22分49秒、時刻は17:22になっていた。ここで関門アウトとなった。
 おそらくこのまま走り続けたら、20時〜20時半くらいにはゴールできただろう。しかしマメも股ずれも痛んだし、何より19時半までに着かないと夕陽館の風呂に入れない。懇親会で早く飲みたい。その誘惑に負け、あっさりと収容車に乗り込んだ。
■ 平成19年9月16日 懇親会と救急車
 18時、津屋崎に到着、しばらくゴールシーンを見ていたらちょっと悔しくなってきた。海岸に出て見事な夕焼けの写真を撮ってから夕陽館に行った。19時半、見野さんの乾杯で懇親会が始まった。いつものように川口さんのサンシン、野口さん・見野さんの南京玉すだれ、峯さんのマジックなどで盛り上がる。その間にも時間外・宴会ゴールのランナーがぽつりぽつりと戻ってこられた。21時過ぎ、中締め前に民宿よし田と若草のペア宿泊券争奪ジャンケン。こういうのに勝った試しがない。最初は直ぐに負けた。しかし次の若草分は何となく最後まで残って、勝ってしまった。2組の宿泊券、北九州ウルトラRCが独占してしまったのである。最後に手一本が入り中締め、それでも多くのメンバーが残り、飲み続けた。
大会後の懇親会
いつものように見野さんの乾杯で始まる

サポート隊長・走るウルトラ飲兵衛氏が戻ってきて
仕切直しの乾杯

野口さんと見野さんの南京玉簾
なぜか形が違う

PM8:50、宴会ゴールの二人
 
若草・よし田宿泊券争奪戦
2枚とも北九州ウルトラRCがゲット
 22時半前、最終ランナーがゴールするという声が聞こえ、デジカメを持って外に出た。数人帰ってきているらしい。まず現れたのは男性。しかしゴール手前で倒れた。立ち上がり、最後の気力を振り絞ってゴールに向かい、ゴールテープを切って再び倒れ込んだ。称讃の拍手、、、しかし様子がおかしい。手足が冷たく、意識朦朧、民宿の玄関に運び込み毛布で温めたが、脈も弱いし、痙攣も見られた。急いで救急車を呼び、その搬送に同乗した。レースの状況などを救急隊員に説明したが、前半蒸し暑く、後半は土砂降りという過酷な状況下でのレースに半ば呆れた様子だった。幸い、救急病院で一晩点滴を受け、無事に退院されたそうだ。

 過去最低の練習量で臨んだ今回の玄海100kmだが、関門アウトで終わった。当然の結果と言えるが、86kmまで行けたことに満足もしている。でも懇親会や風呂のことを考えずに、最後まで走っても良かったのではと言う後悔の念もある。これで玄海100kmは2勝2敗。来年こそしっかり走り込んで、ちゃんと最後まで走ろう。
懇親会が終わって
何とか立ち上がってゴールテープを切るも、、、
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