Uc DM Lecture-3a
糖尿病の急性合併症 |
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1921年にインスリンが発見されるまでは糖尿病の死因は殆どが高血糖性昏睡でした。 もちろん今でも速やかに適切な治療をしないと命に関わります。 |
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目 次 | 1.急性合併症の種類 2.ケトアシドーシス昏睡 3.高血糖高浸透圧性昏睡 4.清涼飲料水ケトーシス(ペットボトル症候群) 5.乳酸アシドーシス 6.各病型の鑑別 |
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関連情報 | 低血糖−症状と対処の仕方− |
高血糖性昏睡
1型糖尿病の発症時や重症感染症の合併などにより、高度のインスリン不足から短期間のうちに急激に著明な高血糖を来し意識障害・昏睡から死に至ります。
低血糖
その他の急性合併症
このような状況になった時は、直ちに大量のインスリン注射と大量の点滴をしないと命に関わります。 ケトアシドーシス昏睡と高血糖高浸透圧性昏睡がありますが、清涼飲料水ケトーシス(ペットボトル症候群)、乳酸アシドーシスについても触れておきます。 糖尿病患者さんに見られる救急疾患としては、糖尿病特有の急性合併症の他に、脳卒中・心筋梗塞・感染症などがあります。これらの合併疾患は、糖尿病で高頻度というだけでなく、これがまた高血糖性昏睡の誘因にもなります。
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■ 高血糖性昏睡の誘因
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1型糖尿病の発症時 治療の不徹底(食事不摂生・薬の飲み忘れ等) インスリン注射や薬を勝手にやめる 重症感染症・手術 脱水(下痢・嘔吐・利尿剤等) |
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■ 高血糖性昏睡の治療
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インスリン注入 補液・電解質補正 高血糖性昏睡の誘因の検索 |
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インスリンがなくなりケトン体が増え血液が酸性になる 血中ケトン体高地(3ヒドロキシ酪酸増加)
1型糖尿病の発症時等に起こりやすい尿ケトン体陽性 著明なアシドーシス |
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■ ケトン体
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ケトン体とはアセト酢酸・3-ヒドロキシ酪酸・アセトンの総称です。 高度のインスリン不足とインスリン拮抗ホルモンの過剰により蛋白質や脂肪の分解が亢進しますが、遊離脂肪酸が増えて肝臓に流入することで、ケトン体合成が増えます。このうち3-ヒドロキシ酪酸・アセト酢酸は酸性で、これらの過剰により血液が酸性に傾くことをケトアシドーシスといいます。 ケトン体の増加は高度のインスリン不足状態を表しますが、飢餓状態や飲酒でも増加します |
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高齢者に多くコントロールのうまくいっていた人にも起こります 著明な脱水が特徴です 著明な高血糖(通常800mg/dL以上)
治療後はしばしばインスリン不要となる著明な高浸透圧血症(350mOsm/L以上) アシドーシス軽度 |
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多くは若年肥満男性の2型糖尿病 清涼飲料水の多飲を契機として、急激に血糖値が上昇する(1000mg/dL前後) 元はインスリン抵抗性でインスリン分泌は保たれているが、ブドウ糖毒性によりケトアシドーシスにまで至る インスリン治療によりブドウ糖毒性が解除されれば、食事療法のみでコントロールされることが多い |
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■ ブドウ糖毒性
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血糖値が高くなると、インスリンの分泌もインスリンの効きも悪くなってきます。このため血糖値が上昇し易くなり、そのことがさらにインスリン分泌不全とインスリン抵抗性を助長し、血糖値がさらに上昇するという悪循環に陥っていきます。 ペットボトル症候群では、吸収されやすい単純糖質の大量摂取により血糖値が上昇し、ブドウ糖毒性から昏睡に至るような高血糖状態になるというものです。 ブドウ糖毒性 |
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乳酸アシドーシスは、糖尿病以外にもショック状態など組織の酸素欠乏やある種の薬剤、遺伝性代謝疾患などで見られる。 糖尿病でも、アルコール多飲や心筋梗塞等の心血管疾患などが誘因となって発症してきます。 予後が極めて悪い。 血中の乳酸増加(45-54mg/dL以上)
著明な代謝性アシドーシス(pH 7.35以下) 重炭酸塩低下、アニオンギャップ増大 |
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Lecture3b 糖尿病の慢性合併症 Lecture4 糖尿病の治療 |
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