Uc DM Lecture-2
糖尿病の自覚症状と診断
血糖値が高くなっても自覚症状が無いという人がいます。
無症状だとつい病気を甘く見てしまいがちです。
目 次 1.糖尿病の症状
2.糖尿病発見のきっかけ
3.糖尿病の合併症
4.糖尿病の診断
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関連情報 新しい糖尿病の分類と診断基準 (1999,JDS)

1.糖尿病の症状
■ 高血糖特有の症状
異常なのどの渇き、水をよく飲む
尿量が多い、夜中何度もトイレに行く
疲れやすい、体がだるい
食べても食べてもやせる
このような自覚症状のある人は血糖値がかなり高く重症
特に1型糖尿病発症時や、2型糖尿病で重症感染症などを合併した時には、短期間のうちに血糖が上昇し昏睡から死に至ることもあります(高血糖性昏睡DM Lecture3a)。
しかし大部分の人は無症状です。
 
■ 症状がなければ軽症か?
症状がないからといって油断できないのが糖尿病の恐ろしいところです。
高血糖を放っておくと気が付かないうちに・・・
糖毒性による糖尿病のさらなる悪化(2型糖尿病の病態と糖毒性
合併症による失明、尿毒症等々で人生の満足度(QOL)が損なわれる(慢性合併症DM Lecture3b
予備軍・境界型・軽症糖尿病の段階から既に動脈硬化は始まっている


2.糖尿病発見のきっかけ
■ 自覚症状がある
典型的な高血糖症状が出て受診したという人は最近はむしろ少数派
■ 無症状
症状がなくて見つかるケースが多い
健診・人間ドックでの発見
他の病気でかかったときに偶然発見
■ 合併症
進行した合併症による何らかの症状が出て受診
目が見えなくなって初めて見つかったという人もいます


3.糖尿病の合併症
糖尿病の合併症には速やかに治療しないと生命に関わる急性合併症と、高血糖状態が長年持続することによって起こる慢性合併症とがあります

■ 急性合併症Lecture 3a
緊急に治療を要する状態には、高血糖昏睡・低血糖昏睡・感染症や脳卒中などの合併があります。
高血糖昏睡では、高度のインスリン不足により短期間のうちに著明な高血糖を来し意識障害・昏睡から時に死に至ります。速やかに大量のインスリン注射と点滴を開始しないと命に関わります。1921年にインスリンが発見されるまでは糖尿病の死因は殆どが高血糖性昏睡でした。
一方糖尿病の薬物療法に伴うものとして低血糖昏睡があり、これはインスリンが過剰で血糖が下がり過ぎた状態です。症状や対処法など詳しくは、低血糖をご覧下さい。
ケトアシドーシス昏睡
高血糖高浸透圧性昏睡
清涼飲料水ケトーシス(ペットボトル症候群)
乳酸アシドーシス
低血糖

■ 慢性合併症Lecture 3b
長年持続する高血糖によって起こる慢性合併症は、初期には無症状のこともありますが、進行すると長期にわたって苦痛を伴い生活の質・人生の満足度(QOL)を損ない、さらには命に関わることもあります。
糖尿病に特有の三大合併症は、高血糖状態が長い間続くと確実に起こります。糖尿病は全身の血管と神経を侵す病気です。
また糖尿病は動脈硬化の進行を促進しますが、それは既に予備軍(境界型)の段階から始まっています。
■ 三大合併症
 神経障害→合併症の初発症状として多い
 網膜症→最悪の場合失明、大人になってからの失明原因の第一位
 腎 症→最悪の場合尿毒症で透析、透析導入患者の1/3を占める
■ その他の合併症
 動脈硬化症
 糖尿病性壊疽
 白内障・緑内障
 感染症


4.糖尿病の診断
糖尿病と診断するには高血糖状態が持続していることの確認が必須です

■ 持続的に糖尿病型に属するもの
2回以上の検査で高血糖が確認されたとき
空腹時血糖  126mg/dl以上
食後2時間値 200mg/dl以上
■ 1回の検査でも糖尿病と診断できる
以下の所見が認められた時は、1回の検査で直ちに糖尿病と診断されます
典型的な症状がある
HbA1c 6.5%以上
糖尿病網膜症
基準値を著しく超える血糖値


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